激痛の発作で知られる『痛風』は、患者の95%が男性で、女性はわずか5%にすぎません。しかし、近年『高尿酸血症』は女性にもじわじわと増えてきています。では、女性で痛風に罹患(りかん)したC子さん(70代)のケースを紹介します。

C子さんは主婦で、身長155センチ、体重50キロと肥満などはありません。17年の春、C子さんは興味があった足の指を開く健康グッズを数時間体験しました。その翌日、右足の親指の付け根が腫れ、激痛に襲われたのです。靴が履けず、スリッパで近所の整形外科を受診。痛風による発作が疑われ、痛み止めを処方されました。状態は数日で改善。ところが、その数日後、靴を履くと足の親指の付け根が痛み、また数日すると良くなる。これを3回くらい繰り返したので、私どもの病院を紹介されて受診されました。早い対応でした。

C子さんの病歴は、50代で「乳がん」「尿路結石」の既往があり、さらに「高血圧」の治療も受けていて、かかりつけ医から「尿酸値も7・5 mg/dl程度と高めです」と言われていたのです。お酒はたまにワインを少し飲む程度で、問題にする量ではありません。

初診でC子さんを診察すると、右足の親指から甲にかけて赤みと腫れが見られました。痛風の関節炎が疑われましたが、この時の血液検査では尿酸値は6・5 mg/dlで、「肝機能障害」「糖尿病」「脂質異常症」などはありませんでした。

そこで、右足親指の関節超音波検査をすると、関節軟骨の表面に尿酸塩結晶の沈着が認められたのです。C子さんは痛風と診断され、痛風発作が治まった後、尿酸降下薬のフェブリク(一般名フェブキソスタット)がスタート。薬での治療だけでなく、食事・運動療法もしっかり行って治療を続けられています。

実は、C子さんは閉経後に尿酸値が上昇したのでした。女性の痛風に関する研究があり、閉経後に痛風を発症する女性が84%と多いことが分かっています。加えて、女性の痛風患者さんは、腎臓などの病気や薬剤が原因となって起こるものが多いことが示されています。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)