「痛風の発症年齢は若年化している」という声を聞きます。実際、そうなのでしょうか。
研究報告では、1960年ころの発症年齢は50代がピーク。それが80~90年ころには、30代がピークになり、40代、50代、20代と続く報告になっています。さらに90年代後半になると、40代がピークになり、2020年の報告でも40代がピークになっています。
わが国では80~90年頃、食生活の欧米化に伴って30~40歳代の発症の増加がみられました。しかし、その後の報告では若年化ははっきりしていません。「痛風患者は幅広い年齢層に見られる病気」--私たちはそれを念頭に置いて診察を日々行っています。
幅広い年齢層ということでは、痛風の原因で尿酸値の高い「高尿酸血症(尿酸値7mg/dlを超えるもの)」は10代でも少なくありません。
長野県の中学生の健康診断を調べた報告があります(本郷実氏の報告)。それによると、高尿酸血症の頻度は男子で約10%、女子で約0.7%でした。全例で、痛風を起こした人はいませんでした。高尿酸血症だった男子は、それ以外の男子と比べると「肥満」「血圧が高め」でした。そして、高尿酸血症の中学生の60%は「肥満」「高血圧」「脂質異常症」「空腹時高血糖」など、他の生活習慣病を合併していたのです。
高尿酸血症はごくごく普通の生活習慣病なので、痛風を引き起こすケースは若い人でも起こってくる可能性はあります。この基本にあるのは「食生活の変化」と「運動不足」が大きいと思います。痛風は中年以降に多い病気ですが、20代から70代までどの年代にも発症するのが痛風です。ここはしっかり認識しましょう。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)

