激痛に襲われる「痛風」-。ところが、「痛風の予備軍『高尿酸血症』は、痛風だけではなく、合併症も怖い」と言われているのをご存じでしょうか。
高尿酸血症は、メタボリック症候群の構成疾患である「糖尿病」「高血圧」「脂質異常症」を合併しやすいことがわかっています。これらは全身の病気で、生命に関わることもある“怖い病気”です。また、メタボリック症候群の人は、痛風・高尿酸血症になりやすいのです。東京女子医大の報告では、痛風患者422例の合併症を調査したところ、高血圧28%、脂質異常症56%、尿路結石23%、肝機能異常27%という結果でした。糖尿病は10%以上に合併している、という報告が多いです。
痛風の予備軍の高尿酸血症は、痛風発作を繰り返すだけではなく、さまざまな病気の発症や悪化の原因となることが明らかになっています。ここまでにあげた以外に、「肥満」も合併しやすくなります。これらの生活習慣病にかかると、動脈硬化が進行して血管が狭くなり、その結果、狭心症、心筋梗塞といった虚血性心疾患や、脳梗塞、脳出血といった脳血管障害など、生命に関わる病気のリスクを高めていきます。まさに、高尿酸血症は“大病の原点”と言えます。
高尿酸血症の合併症として高血圧がある場合、高血圧の治療もきちっと行いましょう。高尿酸血症に対する尿酸降下薬の治療によって、高血圧の改善や、心血管病の発症を抑える効果ははっきりしていません。合併症の高血圧は、減塩や肥満の是正など生活習慣を改善しながら、可能な範囲で尿酸値に影響の少ない降圧薬を用いて管理していきます。
高尿酸血症の場合、尿酸値だけを気にかけるのではなく、他の合併症がないかも合わせて診ていくことが重要! ということを忘れないでください。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)

