「『痛風』で尿酸値を下げる薬を飲み始めると、ずっと薬は飲み続けることになるの?」と、特に若い患者さんは気にされます。尿酸降下薬は飲み続けないといけないの?

痛風は尿酸塩結晶が沈着することで発症する病気で、治療の最終目標は、尿酸塩結晶を除去することです。そのために尿酸降下薬を服用し、尿酸値を6 mg/dl以下に保つことで身体に蓄積された尿酸塩結晶は徐々に減少します。つまり、痛風は治癒可能な病気です。ただ、関節内から尿酸塩結晶が消えたことを確かめる検査はありません。「いつまで薬を飲み続けないといけないか…」についての研究報告は極めて少ないのです。

その中から、2011年の報告を紹介します。尿酸降下薬を5年間服用し続け、尿酸値を6 mg/dl以下で維持した症例で、尿酸降下薬を中止しました。中止後の尿酸値が高いほど痛風発作が再度起こりましたが、尿酸値7 mg/dl以下を維持できた症例では、痛風発作は起きなかった、と報告されたのです。つまり、十分に尿酸コントロールができたうえで尿酸降下薬を中止し、その後も尿酸値7 mg/dl以下を維持することができれば、痛風発作が再燃することなく、薬を中止することができるかもしれません。

私の考えは、「生活習慣の改善ができていて、尿酸降下薬を減量しても尿酸値6 mg/dl以下が長期間続いている場合、患者さんと“薬を続けるか、いったんやめて経過を診るか”を話し合います」。患者さんには「薬をやめてみます」という人も「発作が起きると困るので、薬は続けます」という人もいます。

薬をやめた場合でも、改善した生活習慣を続けながら定期的に通院して尿酸値を調べます。問題がなければ、検査だけで薬の服用はしないで続けます。ただ、痛風発作が起きた場合や、尿酸値が再度上がってくる場合は、治療を再開します。薬をやめることができた患者さんは多くはありません。生涯薬を飲み続ける患者さんの方が圧倒的に多い、これが痛風患者さんの現状です。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)