血清尿酸値が7 mg/dlを超えると生活習慣病の『高尿酸血症』と診断されます。その高尿酸血症を基盤として発症してくるのが、激痛発作で有名な「痛風」。つまり、高尿酸血症をしっかり治療することが、痛風の治療につながるのです。

ところが、日本でも海外でも「痛風の管理は不十分」と言われています。痛風の痛みが良くなったので通院をやめた、という話を聞かれた方もいるのではないでしょうか。東京女子医大では、その理由を調べるために、以前調査を行ったことがあります。

2007年~09年に当院を受診された痛風患者さん約600人の通院状況を調べたところ、1年以上治療を継続した患者さんは約60%で、約20%の患者さんは1か月以内に通院を中止していました。1か月以内に受診を中止した患者さんのほとんどが1、2回の通院のみでした。痛風発作の痛みが良くなったので通院を中止した方が多いのでは、と思われました。また、1年以内に通院を中止した方をみると、中止しなかった方に比べて、尿路結石、腎障害、高血圧、脂質異常症、糖尿病など、合併症が少ないことがわかりました。

痛風は尿路結石やメタボリック症候群(メタボ)を合併しやすいのですが、合併していない場合や合併していても程度が軽い場合もあります。痛風発作の痛みがなくなり、合併症も少ないとなると、やはり通院を続けにくいのかもしれません。しかし、生活習慣に気を付けないと、メタボは合併してきます。痛風や高尿酸血症はメタボを合併しやすい状態だということをよく知っておく必要があります。

この結果を受けて通院中止を避けるために、初診時からわかりやすく痛風の原因や治療の目的、必要性などについて説明を行っています。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)