「『痛風』治療の継続率が悪い」ことについては、調査結果を前回紹介しました。治療の継続率が悪い原因の1つとして、「治療のアドヒアランスが低下している」ことがあると思います。
アドヒアランスとは、治療方針の決定に患者さんが積極的に関わり、納得したうえで主体的に治療を受けるということです。これによって、より高い治療効果が期待できます。ただ、慢性疾患では、治療アドヒアランス低下が起こりやすいのです。その原因として、<1>「今の症状が軽い。もしくは無症状」、<2>「治療を中断しても悪影響が出るまでにかなりの時間がかかる」<3>「治療目的が今の症状ではなく、将来起こるかもしれない合併症の予防である」の3点があげられます。
痛風の場合、痛風発作では激痛の症状はありますが、発作がおさまると、症状がなくなってしまいます。「高尿酸血症」は症状がないので、治療を中断しても次の発作や合併症の発症までかなり時間がかかります。それが痛風治療の継続を悪くしているのです。
では、どうすればアドヒアランスをあげることができるのでしょう。海外の研究の成果からは、痛風をよく知ってもらうことがアドヒアランスの向上につながることがわかっています。高尿酸血症が長く続くと、関節の中に尿酸塩結晶が沈着します。これがある日剥がれて、痛風発作が起こるのです。尿酸降下薬を使って血清尿酸値を6 mg/dl以下に保つことで、たまった尿酸塩結晶が徐々に小さくなり痛風発作が起こらなくなります。でも、それには時間がかかります。また、痛風や高尿酸血症は生活習慣病が合併しやすいのです。
痛風を知ることは決して簡単ではないと思いますが、痛風については医療機関で冊子が渡されることもあると思います。このような冊子には、痛風や高尿酸血症のことが分かりやすく書かれているので、参考にしてみると良いと思います。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)

