認知度がアップしてきた「男性更年期障害(LOH症候群)」。
この疾患は、男性ホルモンの低下によって心身に不調が起こった状態です。更年期障害と聞くと、今でも女性特有のものと思っている人がいます。女性は閉経すると女性ホルモン(エストロゲン)が大きく減少することで自律神経に影響を与え、さまざまな症状が出ます。ただ、女性の更年期は閉経の前後5年以内と定義されています。
一方、男性更年期障害は男性ホルモンが20代をピークに、次第に低下するのです。ただ、男性更年期障害はすべての男性に起こるのではなく30代で起こる人もいれば、60代で起こる人もいます。その点が女性とは違って男性更年期障害はわかりにくいのです。
男性ホルモンの低下で男性ホルモンの機能が落ちると「気力の低下」「抑うつ&不安」「イライラする」「疲れやすい」「顔がほてる」などの症状が出ます。これが性機能の面では、「朝立ちが減る」「性欲が減少する」といったことがでてきます。このような症状の出るのが男性更年期障害です。
厚労省は更年期障害の大規模調査を2022年に行っています。男性で更年期障害と診断されたのは40代が1・5%、50代が1・7%。ただ、更年期障害の可能性のある男性は40代で8%、50代で14%でした。この結果を見ると、50代の男性では10人に1人以上が更年期障害の症状が出ているのです。
その症状で知っておいてほしいのは、前述した症状のほかにも「ため息が増える」「ささいなことで言葉を荒らげてしまう」。これは奥さんが気づくことが多く「あなた、男性更年期障害じゃないの?」と言われて泌尿器科を受診する人も増えてきました。そして、身体面の変化では、「太ってきた」「夜中にトイレに行く回数が増えた」というのも男性更年期障害での症状として出ていることもあるので、受診すると早期発見につながると思います。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)
◆土井直人(どい・なおと) 市ヶ谷ひもろぎクリニック院長。1987年(昭62)、群馬大学医学部卒業。日本泌尿器科学会専門医。日本腎臓病学会。メンズヘルス医学会。泌尿器科一般領域の診療活動。特に心療内科と連携して男性更年期治療に従事。

