本来の調律からずれて単発で出現する不整脈があります。期外収縮と呼ばれます。発生源の違いで心房性期外収縮と心室性期外収縮があります。
期外収縮の症状は軽微で、無治療で経過を見ることが多くあります。「脈が抜ける」「脈が飛ぶ」感じを訴えることが一般的ですがこの不整脈はよく「気にすればするほど出る」といい、緊張・不安・ストレスで悪化します。患者さんにとっては重大な体の不調であり、症状を医師によく伝えることが大事です。
期外収縮の検査は、24時間ホルター心電図検査が重要です。成人で、1日の総心拍数は約10万回程度で、うち心拍の揺らぎや軽度の不整脈であるが許容される数は数百程度以下。期外収縮数が数千~1万以上となれば、ケース・バイ・ケースですが治療介入すべきレベルになります。
心房性であっても非常に多発していれば心房細動に準じた対応を考慮しなければならなかったり、心室性であれば心不全のリスクが危惧されることがあります。こうした場合にはカテーテルアブレーションなど、必要に応じて適切な治療が考慮されます。
思いがけない症状で苦しんでいる患者さんもおられます。48歳の男性で、数カ月前から時折むせるようなせきがありました。肺が心配になり呼吸器内科を受診したが異常なし。せき込みがあったり胸の違和感も気になるため心臓かも、と当院を受診しました。24時間ホルター心電図検査をすると心房性期外収縮が相当数見つかり、一致してせきが出現していました。
よくよく聞いてみると胸の違和感とともにせき込むようで心臓の不整な拍動がせきを誘発したようです。この患者さんの心房性期外収縮は、左心房に接続している肺静脈の根本から発生していました。期外収縮が気管支を刺激することでせきが生じていたユニークなケースでした。

