糖尿病治療に詳しい「高座渋谷つばさクリニック」の武井智昭院長は体重や血糖の適正な管理が、本人の意思だけでうまくいくほど単純ではないと話す。その1つがたとえば「職場のストレス」。

「なにかのストレスがかかると、副腎皮質ホルモンというものが分泌されてさらに食欲が増してしまいます。そのため食べすぎてしまい糖尿病になってしまう。まさに悪循環なんですね。そこで極端な場合は職場を辞めてしまったり、仕事を減らす、転職や休職をしてみると糖尿病が良くなって元気になっていく。そんな方がいらっしゃるわけです」

仕事や家事に追われて早く食べないと時間がない。栄養バランスのとれた食事を1日3回食べるのはいわば至難の業。それに日本人にある遺伝的な素因が拍車をかける。

「アジア系民族には遺伝的に倹約遺伝子が備わっていて、それが肥満や糖尿病のリスクを高めています。また、ホメオスタシスという生命維持機能はダイエットをしても元へ戻ろうとリバウンドになりますし、意思では超えられない壁が存在しているわけです」

日本人には軽い肥満程度でも、欧米人のそれに比べ糖尿病になりやすいとされる。

「無理なダイエットをしてもリバウンドを繰り返すように、生命を守るため脳の正常な反応です。根性や我慢だけで制御できる話ではまったくありません」