「『加齢性難聴』は自分では気付きにくいので、早期に発見するには、周囲の人々の意見を取り入れましょう。これが難聴を早期に発見するポイントです」と、前回は紹介しました。しかし、これには問題もあります。
周囲と言っても、一緒に住んでいる人たちは徐々に進行する難聴には、本人と同じで気付きにくいところがあります。これがなかなか受診に結び付かない第1点です。第2点は、本人は少し難聴に気付いていても「でも、年だからしょうがない」と言って病院を受診しない。周囲の人も同じように言って、受診するように後押しをしないのです。第3点は、第2点と似ています。日本人の場合、病院を受診するのは治してもらいに行く、という考え方です。それが年のことになると、「年は治らないでしょう」と最初からあきらめてしまうのです。
難聴の起こっていることはわかっていても、病院を受診しない。このような状態に終止符を打ちましょう。実は、難聴の対処法はいろいろあって、「早く受診してほしい」のが私たち専門医の気持ちです。ただ、ここで受診する人がいたとします。その場合、耳鼻科に絞って受診するでしょうか。難聴が軽度の時は、かかりつけの内科の主治医に診てもらう人が多いと思います。専門医でない場合、「年だからしょうがないよねー」と言われて診察が終了してしまうこともあります。
やはり、ここは専門医を受診しましょう。医療が進歩している日本の方々が受診しないのはもったいないことです。海外の方々は難聴で受診し、それが補聴器に結び付いている人が多いのです。日本の方々はそのケースが少ないというのは残念です。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)

