がんの中で、死亡者が最も多い「肺がん」。それを単に怖がるのではなく、“肺がんになりやすい人”もわかっているので、リスク因子を知り、できる対策はしっかりとるようにしましょう。

肺がんの最大のリスク因子は、言うまでもなく、「喫煙」です。喫煙者は非喫煙者と比べると、男性は5・4~4・8倍、女性は2・8~3・9倍肺がんになりやすい。喫煙は本人のみならず周りにもリスクを与えます。それが「受動喫煙」。受動喫煙での肺がんリスクは1・3倍になります。加えて、がんは「加齢」が関係しています。40代から増え始め、60代くらいからは発症率がグンとアップします。

また、肺がんは職業とも関係しています。「アスベスト(石綿)などの粉じんを吸い込む可能性のある仕事」(建築業や造船業)を行っていた人はリスクが極めて高いので、十分な注意が必要です。アスベスト以外では、「鉱物粉塵などを吸い込む環境」もリスクになるので十分な注意が必要です。

そして、多くのがんは「家族歴・遺伝」が関係しています。肺がん患者さんが家族にいた、いる、となるとリスクはアップします。さらに、「慢性肺疾患」を患っているとリスクはアップ。その疾患は、“たばこ病”と言われている「COPD(慢性閉塞(へいそく)性肺疾患)」「間質性肺炎」などです。食生活の中の一つ、調理時の「油煙を吸い込む」のも肺がんを起こしやすい、と言われていますが、これは、慢性肺疾患の方が、やはりリスクは高いです。

最後に、女性に限った肺がんリスクとして、「女性ホルモン(エストロゲン)」があります。初経が早く閉経が遅い女性は、エストロゲンに暴露されている期間が長いので、肺がんの中でも「肺腺がん」のリスクが高い、と言われています。

あてはまるリスク因子があった人は、しっかり定期的な肺がん検診を受けるなど、できる対策を行うと良いでしょう。怖がられる肺がんも、早期に発見すると怖くはありません。(医学ジャーナリスト 松井宏夫=終わり)