「肥満症」の治療薬として「ゼップバウンド」と「ウゴービ」が大きな注目を集めています。その薬を使う段階に至る前。“肥満ではあるが肥満症ではない”、という方々が使う肥満症予防薬に注目している方々もかなりいます。それが、2024年4月に日本で発売された「アライ(一般名:オルリスタット)」で、薬局で購入できるOTC医薬品です。
このオルリスタットは、99年にアメリカで承認された後、世界の多くの国々で肥満症の標準的な薬として使用されてきました。オルリスタットは、腸で脂肪を分解する酵素のリパーゼの働きを抑えます。それにより、食べた脂肪分の約30%が分解されずに排出されるのです。その分、カロリーが減少するので体重が減少する、という効果です。これは脂肪に対する効果で、タンパク質や炭水化物などの消化・吸収に支障はありません。
オルリスタットは、日本では治験段階で中止になり、世界と同じようにはならなかったのです。それで、OTC医薬品として直接申請して認可されました。「症状を改善する」「予防的に使う」ことでOTC医薬品になっています。
だから、アライは肥満症の予防薬として「内臓脂肪はたまっているけれど病気のない人に使ってください」ということで市販になったのです。肥満ではあっても健康障害のない人に使用するのが基本。肥満があって障害が加わっていると、それは病気の肥満症なので病院での治療になります。
アライは、肥満症予防薬、内臓脂肪減少薬として位置づけられているので、直接薬局で購入できますが、アライ販売資格を持つ薬剤師のいる薬局に行く必要があります。そして、購入条件もいろいろあります。それは次回に--。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)

