言うなれば「小窪の魂、百まで」だ。今オフ広島の選手会長が会沢翼捕手(29)に代わった。前任者の小窪は2年間の任期を全う。その小窪やベテラン新井、石原らの推薦で、会沢にすんなり決まった。新選手会長はいつも「基本的には小窪さんがやってきたことを引き継ぐこと。チーム一丸を重視したい」と言う。連覇を果たした広島の武器は一体感。小窪の奔走を副会長として一番近くで見た会沢には“イズム”がある。

 初仕事は選手会長になったその日。11月末の選手会納会だった。ミーティングの後、会沢は25歳以下の選手を集めた。鈴木、西川、野間らを前に「お前たちがしっかりしないと、これからのカープは強くならないぞ。私生活でも、オンオフしっかりしよう」と語りかけた。その心は、「(強さの原動力を)次の世代につなげていかないと」。小窪会長時代に目が届かなかった世代に、会沢がイズムを伝えたことになる。

 当然会沢の色もこれから出るだろう。小窪は「僕より決断力、行動力もある。3連覇、日本一に向かって色を出していってほしい」と語っていた。もう長い低迷期はゴメンだ。他球団にはないような団結力。根本は変わることなく、広島は強さを維持していくはずだ。【広島担当 池本泰尚】