日本橋は武蔵丘に敗れ、15年ぶりの公式戦勝利にはあと1歩届かなかった。
昨年まで連合チームとして戦っていた日本橋は、今夏は部員10人で単独出場を果たした。唯一の3年生としてチームを引っ張ったのが、主将の朱嘉俊(シュウ・ジアジュン)外野手(3年)だ。
中国人の両親を持つ朱は、小学5年生で中国から来日した。それまで野球経験はなかったが、小学校のティーボールクラブでボールを遠くへ飛ばす楽しさを知り、中学から本格的に野球を始めた。
入部当初は4人いた同級生も、それぞれの事情で退部し、2年夏には朱だけが残った。「1度は自分も辞めようと思いました」。それでも昨夏の大会で放った二塁打が転機となり、「やっぱり野球って面白い」と競技への思いを実感。その1本が、最後の夏まで野球を続ける原動力になった。
3年生が1人だけとなっても、後輩たちは全力プレーで主将を支えた。「僕の最後の夏をサポートしたいという気持ちが伝わってきました」。仲間の思いを力に変え、最後までグラウンドを駆け続けた。
試合は0-10で敗れたものの、「公式戦や練習試合を含めて一番いい試合だった」と胸を張った。これまで課題だったミスは減り、4回は相手打線を無失点に封じた。「楽しかったです。悔いはなかったです」。異国の地で始まった野球人生は、多くの仲間に支えられながら、かけがえのない6年間として幕を閉じた。

