5季連続の甲子園出場校は、少々のことでは揺るがない。花巻東(岩手)が選手層の厚さを見せつけ、新田との接戦を制して初戦を突破した。
エース萬谷堅心投手(3年)が左指をつり7回2失点(自責1)で降りると、レフトの守備からマウンドに上がった2番手の赤間史弥投手(3年)も両足をつり1回0/3無失点で降板。9回途中から菅原駿投手(2年)が引き継ぎ無失点にしのいだ。
主力2人がつるアクシデントが起きれば、いくら強豪校でも影響は出るはず。しかも9回無死一塁で点差は2点。1発出れば同点、さらにサヨナラ負けもよぎるはずなのに。マウンドに上がった菅原は「気持ちの面でも、いつでもできる準備はしていた」と振り返った。
最初の打者の得居飛翔捕手(3年)を3球連続の直球勝負で一邪飛。続く酒井真聖内野手(3年)には直球を捉えられたが、投手からレフトにポジションを戻した赤間の好守備にも助けられてアウトを重ねた。
最後の木下春空外野手(3年)にはこの日の最速143キロの直球で押し込み、最後は内角低めに制球したスライダーで空振り三振に斬った。1イニング11球を投げ完全投球。萬谷、赤間がアクシデントに見舞われても、菅原がいる。投手陣の層の厚さが際立った。
試合開始の気温は30度。時おり吹く涼しい風が抜けて暑さを和らげていたが、夏の甲子園のしかも初戦となれば何が起こるか分からない。佐々木洋監督(51)は「私は日陰にいたので今日は涼しいなと思っていた。普段からうちの選手たちは結構鍛えているから。そういう意味では今日はびっくりした」と驚きを持って振り返った。
経験豊富な指揮官にとっても予想外の出来事だったが、そんな逆境をはねのけたのもチームの地力があってこそ。「赤間で2イニングいけると思っていた。やっぱりピッチャーが複数枚いてよかった」。端的に語ったチームの特長が、2年連続の初戦突破を決めた要因を示していた。

