5季連続の甲子園出場校は、少々なことでは揺るがない。花巻東(岩手)が投手層の厚さを見せ、新田との接戦を制した。エース萬谷堅心投手(3年)が左指をつり7回2失点(自責1)で降りると、レフトの守備からマウンドに上がった2番手の赤間史弥投手(3年)も両足をつり1回0/3無失点で降板。9回途中から菅原駿投手(2年)が引き継ぎリード譲らなかった。
主力2人が試合中によもやのアクシデントが起きれば、いくら強豪校でも影響は出るはず。しかし、マウンドに上がった菅原は「気持ちの面でも、いつでもできる準備はしていた」と冷静だった。9回1死一塁では酒井真聖内野手(3年)に直球を捉えられたが、投手からレフトにポジションを戻した赤間の好守備にも助けられた。最後の打者となった木下春空外野手(3年)にはこの日の最速143キロの直球で押し込み、1-2から内角低めに制球したスライダーで空振り三振で好救援だ。「赤間さんにすごく良い当たり取ってもらってありがたかった」と先輩をたてた。
試合開始の気温は30度。時おり吹く涼しい風が抜け暑さを和らげていたが、夏の甲子園の初戦となれば話は違う。何が起こるか分からない。佐々木洋監督(51)は「普段からうちの選手たちは結構鍛えているから、そういう意味では(2人もつり)今日はびっくりした」と驚きを持って振り返った。経験豊富な指揮官にとっても予想外の出来事に直面しても、逆境をはねのけるだけの地力がある。「やっぱりピッチャーが複数枚いてよかった」。端的な言葉が、まさしく2年連続の初戦突破に導く要因だった。【平山連】
◆無失策試合 花巻東-新田戦で記録。今大会初めて。
◆東北勢の全国高校野球選手権(夏)勝利数上位 花巻東は出場14回で通算15勝目を挙げた。東北内の勝利数ランキングでは、日大山形を抜いて単独5位に浮上。トップは仙台育英(宮城)の49勝で、2回戦の花咲徳栄(埼玉)に勝てば、過去3校のみ(中京大中京、龍谷大平安、松山商)の夏50勝に到達する。2ケタ勝利は9校ある。

