敗退チームのドラマにスポットを当てる「胸張ってイイじゃん」を随時掲載し球児たちの奮闘に迫ります。
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花咲徳栄(埼玉)の岩井隆監督(58)と虹太郎外野手(3年)。親子鷹の夏が終わった。8回1死。最後の打席に立った虹太郎は、ふとベンチに目をうつした。「自分はニコニコしていたんですが、笑顔の監督と目があいました」。アイコンタクトで交わした親子の会話。三ゴロに終わったが「3年間一緒にやってこられて良かった。最後は打席を楽しめました」。ここまで話すと、目に涙をため声を詰まらせた。
小さい頃、父はいつも練習と試合で不在がちだった。3歳上の兄の影響で野球を始めた。唯一、教えてくれたのは「楽しくやればいい」だった。
17年夏の全国制覇、19年の埼玉県5連覇を目にし「父について行きたい」と入学を決めた。父と息子が、監督と選手に変わっても、お互いに「覚悟を決めた」と前に進み今年は春夏連続甲子園出場。虹太郎は「監督がいたから甲子園に出られた。この学校に入ってよかったです」。そんな息子の姿に岩井監督は「すごく子供だったのが、大きく成長しました。甲子園で終われてよかった。本当に最高な親子だと思います」。敗戦にも笑顔で終える甲子園。それは父が息子に教えた野球そのものだった。【保坂淑子】

