夏の甲子園が真っ盛りだが、メジャーリーグのユニホームに似ているチームが話題を呼んでいる。初出場の浜松開誠館(静岡)は、チャコールグレーという高校球界では異例の色使い。アンダーシャツやストッキングは赤で、デザインはダイヤモンドバックスから着想を得ている。フルスイングや積極的な走塁も、メジャー流だ。
16年前の春にも、甲子園でMLB風のユニホームが旋風を起こした。常葉学園菊川(現・常葉大菊川、静岡)が、ヤンキースにそっくりなピンストライプに胸には「NY」ならぬ「TK」でロゴまで寄せていた。このチームが2度目の出場ながら、送りバントをしないフルスイング野球で初優勝した。後にDeNAにドラフト1位で進む田中健二朗投手を擁していたが、佐藤由規の仙台育英、熊代聖人の今治西、中田翔の大阪桐蔭、藤村大介の熊本工とプロ注目選手が看板のチームを次々に撃破し、話題となった。
両チームのユニホームは、同じ仕掛け人がいる。元中日外野手の佐野心監督(56)だ。「モネについてならどこの監督よりも詳しいと思うけどね」と話すなど芸術に強い関心があり、ユニホームのデザインはお手の物。08年には甲子園出場中に、京都のアサヒビール大山崎山荘美術館まで足を延ばしたこともある。練習で雲間から太陽が顔を出した時には「フェルメールのような日差しだね」とポツリと話したことも。中日時代に使っていたという野球ノートを見たことがあるが、表紙には見事な絵が描いてあった。こうした美術センスが、メジャー流ユニホームにつながった。
21年のセンバツには、八戸西(青森)もヤンキース風のユニホームで登場した。同じ大会で、聖カタリナ学園(愛媛)はレッドソックスのホーム用に似た、白地に赤のロゴやストッキングでプレーした。伝統校では、智弁学園和歌山の「C」ロゴは、レッズにも似ている。ブルージェイズのビジター用の水色地ユニホームは、Y校こと横浜商(神奈川)を想起させる。こうして大リーグ球団との共通点を探しながら高校野球を見るのも、この時期は楽しみだ。【斎藤直樹】
(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「斎藤直樹のメジャーよもやま話」)





