WBC準々決勝で日本がベネズエラに敗れ、大会2連覇を逃しました。その結果、準決勝はドミニカ共和国対米国、イタリア対ベネズエラという顔合わせ。ドミニカ共和国対米国は、これが事実上の決勝戦といっても過言ではありません。

3大会ぶり2度目の世界一を目指すドミニカ共和国は前評判通り、米国をしのぐほどの銀河系ドリームチームです。とにかく、1次ラウンドから準々決勝まで5戦全勝し、今大会最多の14本塁打、51得点をマーク。また、パワーだけでなく積極果敢な走塁にも魅せるものがあり、「最もエキサイティングなチーム」と言えます。

ドミニカ共和国対韓国 3回裏ドミニカ共和国無死一塁、ゲレロの適時二塁打で一気に生還するソト(撮影・垰建太)
ドミニカ共和国対韓国 3回裏ドミニカ共和国無死一塁、ゲレロの適時二塁打で一気に生還するソト(撮影・垰建太)

それに加えて、今大会は同国史上最高とも言われる先発ローテーションを確立し、元サイ・ヤング賞投手のサンディ・アルカンタラ(マーリンズ)を筆頭に左腕クリストファー・サンチェス(フィリーズ)らエース級がズラリ。1次ラウンドから準々決勝まで5試合のチーム防御率1.98を誇っています。

それに対し、世界一奪還を目指す米国は、1次ラウンド敗退危機から生き返り、準々決勝に進出しました。しかし、日本と違って「全試合勝ちに行く」という戦い方ではありません。2006年の第1回大会からカナダにまさかの黒星を喫するなど取りこぼしも多く、1試合ごとに戦っていくうちに本来の調子を出すタイプです。

また、今大会も決勝ラウンドに入って2年連続サイ・ヤング賞のタリク・スクバル(タイガース)ら先発投手3人と救援投手3人を入れ替え。さらに準々決勝後はクレイトン・カーショーに代えて、抑えのジェフ・ホフマン投手(ブルージェイズ)を登録するなど、大会規定を最大限に活用し戦力強化を図っています。

米国はホームラン以外で得点できる強みもあります。準々決勝のカナダ戦で8安打中7本がシングルヒット。そのうち4本が内野安打と、つなぐ野球で5得点を挙げて勝利しました。これは大一番になるほど相手の好投手に抑えられ、容易にホームランが出なくなるだけに理想的な勝ち方とも言えます。

1回、二塁打を放った米国のジャッジ(AP)
1回、二塁打を放った米国のジャッジ(AP)

一方、今大会で大旋風を巻き起こし、初の準決勝進出したイタリアに対し、日本を破って4大会ぶり準決勝に進出したベネズエラとの一戦も見逃せません。特に、イタリアは1次ラウンドで強敵の米国、メキシコを破り4戦全勝。米国では「シンデレラチーム」として大きな話題になっています。

最大の勝因は米国、メキシコ戦に先発し、それぞれ好投したマイケル・ロレンゼン(ロッキーズ)、アーロン・ノラ(フィリーズ)両投手にあります。そのうち準決勝でロレンゼン、もし決勝に行けばノラが先発予定なので、さらにシンデレラストーリーが続くかも知れません。

対するベネズエラも、勢いに乗る可能性があります。また、準々決勝後に先発左腕ヘスス・ルサルド(フィリーズ)の招聘(しょうへい)はかないませんでしたが、大舞台でも実績ある救援左腕ホセ・アルバラード(フィリーズ)が代表入り。満を持して準決勝以降の戦いに臨みます。

はたして、世界一に輝くのはどのチームか? ドミニカ共和国と米国の勝者か、それともイタリア、ベネズエラか? 最後までWBCの熱き戦いから目が離せません。【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)