先日アメリカに行って、大リーグとマイナーリーグを視察しました。ドジャース大谷翔平投手(30)に憧れ、野球の本場で投打二刀流に挑戦するアスレチックス傘下1Aの森井翔太郎内野手(19)に会って来ました。

アスレチックス傘下1Aでプレーする森井翔太郎内野手(左)と福島良一さん
アスレチックス傘下1Aでプレーする森井翔太郎内野手(左)と福島良一さん

昨年1月にアスレチックスとマイナー契約し、ルーキーリーグのACL(アリゾナ・コンプレックス・リーグ)からプロ生活がスタート。今年5月11日、傘下1Aストックトンに昇格し、本格的に二刀流として始動しました。6月5日、ロサンゼルス近郊オンタリオでの試合前に話を聞きました。

アスレチックス傘下1Aでプレーする森井翔太郎内野手
アスレチックス傘下1Aでプレーする森井翔太郎内野手

最初にダリル・ケネディ監督に聞くと、「このカリフォルニアリーグは20歳以上の選手が多い中で、彼は現在19歳。まだ10代の選手にしてはいいプレーを見せている」と評価。確かにメンバー表を見ると、29人中、森井も含めて10代の選手は5人しかいません。

5月14日にプロ入り後、初めて投手として登板。投打二刀流の起用法について、同監督は「投手では毎週木曜日にオープナーとして1、2イニング。主に速球、カーブ、チェンジアップの3種類で、昨日(6月4日)の試合では最速94マイル(約151キロ)を計測。まだ変化球は習得中」とのことです。

一方、「野手では週4試合で、二塁手とDHで2試合ずつ経験を積ませている」とのこと。「まだ年齢的に大学1年生だし、アジャストしている段階」らしいです。また、今年から本来の遊撃手でなく二塁手へ転向したことについて、「二刀流に挑戦するには守備の負担を軽くしたい」と理由を話してくれました。

そこで本人に聞くと、まずはマイナー生活について「野球以外での苦労はない」とキッパリ。マイナーの過酷な環境も「ここに来る時はバスで6時間も掛かりました。でも、バス2台に分乗し1人で2席分使える」ようで長距離移動も問題ないとのこと。食生活も「ヤバいと感じていない」と、どんな生活環境にも適応しやすい性格のようです。

投打二刀流の難しさは「2つやること自体が難しい。投打とも経験を積まないといけない」と苦労しているようです。それでも、「バッティングは徐々にハードコンタクトが増えてきました」と、少しずつ手応えをつかみ始めているようです。

アスレチックス傘下1Aでプレーする森井翔太郎内野手
アスレチックス傘下1Aでプレーする森井翔太郎内野手
アスレチックス傘下1Aでプレーする森井翔太郎内野手
アスレチックス傘下1Aでプレーする森井翔太郎内野手

投手に関しても「昨日、先発で2イニングを投げて、初回は自分のやりたいピッチングができました。しかし、2回に先頭打者にヒットの後ホームランを打たれ、1球の怖さを知りました」と反省。それでも「高めのストレートで勝負できました。変化球も低めに決まりました」と手応えも感じたようです。

守備で二塁へのコンバートは「ショートは投げる距離が長いから」と納得の様子。試合前は入念にセカンドの守備練習も行っていました。

今シーズンの目標は「投手としても野手としても学ぶことがいっぱい。とにかく、自信を持ってくじけずにやること。自分がやりたいことを毎日続けること」と言っていました。かつて、イチロー氏が言ったような「日々の積み重ね」が大事のようです。

二刀流に挑戦するための体調管理は「たくさん寝ること。睡眠がものすごく大事です」と言い、1日何時間ぐらい寝るか? と尋ねたら「10時間」と聞いてビックリ。確か大谷投手も10時間ぐらい寝ると言って話題になったのを思い出します。

ただし「起きているときはできる限り体を動かす」ことを心掛けているようです。今後については「1歩ずつ階段を上がるごとに壁が見えてきました。その壁をぶち破らないと次の壁が見えてこない」と語っていました。

夢のメジャーへは多くの壁を乗り越えないとたどり着けませんが、米球界で大谷以外に誰も成功していない二刀流挑戦を応援したいと思います。【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)