【ニューヨーク(米ニューヨーク州)=水次祥子】ヤンキース田中将大投手(26)が省エネ投法でサイ・ヤング賞投手に投げ勝った。ナショナルズ戦で13年に同賞を受賞した右腕マックス・シャーザー(30)と投げ合い、7回途中で崩れたシャーザーに対し、田中は1失点に抑えて4勝目。87球で前回マリナーズ戦から2試合連続7回を投げきった。日米で注目を集めたエース対決を制し、メジャー屈指の先発としてその存在感を一段と光らせた。
マウンドに向かう田中の表情には気迫がこもっていた。13年サイ・ヤング賞投手で、2年連続最多勝を記録したシャーザーとの投げ合いに気持ちは高ぶった。「全然、立場が違いますから。こっちでの実績が全然ないですし、僕はただ向かっていくだけ。投げ合いという意味では、勝手に意識はしてましたけどね」。
胸を借りるつもりの登板で、メジャー最強右腕を上回った。1回こそ武器のスプリットを見逃され、21球を費やしたが、すぐに立て直した。「どんどん打たせていった方がいいんだろうなという投球に、途中から切り替えていきました」。打者の手元で微妙に変化するカットボールやツーシームを増やし、ストライクゾーンを積極的に突いた。
ナ軍打線が積極的に振るようになると、勝負球のスプリットを早いカウントで交ぜた。4回を7球、6回は6球で片付けた。昨夏に右肘、今年は右手首などを痛めて故障者リスト入りしており、肩肘への大きな負担は避けたいところ。遊び球を減らした省エネ投法に、ジラルディ監督は「効率的な投球だった。注目されたこの投げ合いの舞台を楽しんでいるようだった」と笑顔を隠しきれなかった。
シャーザーが3回にソロを被弾すると、田中もナ・リーグ本塁打争いをする3番ハーパーに20号ソロを浴びて同点。だがその後も崩れない。連打で招いた唯一のピンチ、7回2死一、二塁でも、後続を1球で中飛に仕留めて7回を投げきった。78球だった前回マリナーズ戦に続き、この日は87球。対するシャーザーはその裏、連打や内野の失策で失点を重ねてイニング途中で降板した。
無駄のない田中の投球を、女房役マキャンは「すべてが特別だった。それだけ素晴らしかった」とたたえた。故障から復帰後初の本拠地登板で、2連勝の今季4勝目。喝采を浴びた田中は「自分の仕事をマウンドに立ってできる喜びがある」と笑い、チーム3年ぶりの7連勝を喜んだ。
▼田中が7回1失点で4勝目。87球でまとめた。昨季は7回以上を投げた11試合で100球未満は2試合(18・2%)しかなかったが、今季は3試合で3度目(100%)と省エネ投球ができている。昨季は100球以上投げた試合が20試合中14試合あったが(最多は118球、最少は50球)、今季は6試合で1度もなし。1試合平均投球数は昨季の100・5から今季は87・2と減った。



