イチローは1日にしてならずです。マーリンズのイチロー外野手(43)が23日、故郷の愛知・豊山町で「第21回イチロー杯争奪学童軟式野球」の閉会式に出席した。毎年恒例のあいさつで、子供たちに「今年メジャーで3000安打を達成することができました」と報告。大記録誕生の土台になったのは「ちょっとだけの頑張りの積み重ね」と明かし、こう呼び掛けた。

 イチロー イチローは人の2倍も3倍も頑張っていると言う人が結構います。そんなことは全くありません。人の2倍とか3倍頑張ることはできないよね。頑張るとしたら自分の限界。その時に、自分の中でもう少しだけ頑張ってみる、ということを重ねていってほしいと思います。

 自身の歩みを振り返りながら熱く語った。今季は日米通算でピート・ローズが持つメジャー最多の4256安打を抜き、昨年この場所で子供たちと約束した史上30人目の大リーグ通算3000安打も達成した。

 来季は44歳を迎える。だが、少年時代はスーパースターになれるとは、思ってもみなかったという。

 イチロー (さっき)言ったように、自分の中でちょっとだけ頑張った。それを重ねてきたことで、今(の自分)になれたと実感している。今日はこの言葉をみんなに伝えたい。

 来年3月にはWBCが控える。06年の第1回、09年の第2回大会で連続世界一を導き、今回の出場可否も注目されるが、その話題に触れることはなかった。来季も最年長野手としてメジャーで奮闘。「ちょっとだけの頑張りの積み重ね」で、新伝説をつくる覚悟だ。

<「イチロー杯」主なあいさつ>

 ◆いじめ(06年) 「自分たちの周りでいじめている人、いじめられる人がいたら『一緒に野球をやろう』と声を掛けて」

 ◆失敗学(08年) 日米通算3000安打を達成したが「その中には6000本以上の失敗があったことを知ってほしい」

 ◆孤独(11年) 「野球はいろんなことを教えてくれます。打席やマウンドや守備に就いた時、自分は独りなんだという厳しい現実がある」

 ◆決断(12年) 「難しいことに立ち向かって決断すること。これができる大人になってほしい。立ち向かう姿勢があれば野球はうまくなる」

 ◆悔しさ(13年) 日米通算4000安打を達成したが「今の僕を支えているのは、失敗して相手に負けて抱いた悔しさ。小さなことを毎日重ねることで、いつの日か信じられない結果を出すことができる」

 ◆我慢(14年) 「今の僕が伝えられるのは我慢。大人になると、自分の思いだけでは先に進まないことがたくさんあります」

 ◆初心(15年) 「毎年、みんなの目がキラキラしている。年齢を重ねていくとギラギラしてくる。今、みんなが感じているこの瞬間、ぜひ記憶しておいてほしい」