ヤンキース田中将大投手(28)が、レギュラーシーズン最終登板のブルージェイズ戦でメジャー自己最多の15奪三振をマークし、日本投手では今季最多の13勝目(12敗)を挙げた。プレーオフを目前に控えて今季一番の投球を披露し、周囲の評価も一変。一時はプレーオフでの先発ローテ入りさえ危ぶむ声もあったが、ローテの柱として大きな期待がかかってきた。

 相手打者のバットが次々と空を切った。速球は走り、スプリットとスライダーの切れは抜群だった。初回の先頭打者から3者連続空振り三振を奪い、5回の3人目の打者に内野安打を許すまで無安打、無失点のパーフェクト投球。ジラルディ監督は「たぶん今季一番の圧巻の投球だった」と舌を巻いた。

 22日の前回登板もブ軍相手だったが5回2/3を8失点と大崩れしており、ワイルドカードから地区シリーズに進出した場合の先発ローテ入りを危ぶむ声も首脳陣から出ていた。同監督は、この日の試合前「この登板は、ローテ入りを決めるオーディションではないよ」と田中に“配慮”してみせた。ところが試合後は態度を180度転換させた。地元メディアに「ポストシーズンでどれだけの働きをするのか不安があったが、これで信頼が増したか」と問われると「非常に信頼が高まった。彼の能力を示す登板だった」と絶賛。今のところワイルドカード試合はセベリーノの登板が有力だが、地区シリーズに進出すれば第1戦先発に田中の可能性が浮上。評価がV字回復した。

 田中は、この日の快投の理由をアグレッシブな姿勢だったと明かし「バッターに対するアプローチの仕方が全然違った」と振り返った。初回から速球を多く使う組み立てで、約3カ月ぶりにバッテリーを組んだベテラン捕手ロマインとも呼吸が合い「配球が、今日は本当にものすごく合致して、リズムが生まれた」という。同捕手も「スプリットは最近ではベストだった。速球をしっかり投げることで、変化球が生きた。受けるのが楽しかった」と話した。

 次はいよいよプレーオフ。田中は「自分の任されるところが何戦目であれ、どこで投げようが、自分の仕事をやるだけ」と力強かった。【水次祥子】