天敵カイケル攻略のカギは打席のアプローチにあった。ヤンキースは田中将大投手(28)が7回3安打無失点の快投で強力アストロズ打線を封じ、打線が15年のサイ・ヤング賞左腕ダラス・カイケル(29)を5回途中でKO。

 本拠地3連勝でシリーズ成績を3勝2敗とし、09年以来8年ぶりのワールドシリーズ進出に王手をかけた。これまでカモにされてきた相手を、ついに打ち込んだヤンキース打線。その要因を、ヤ軍トッド・フレージャー三塁手(31)が明かした。ニューヨーク・デーリーニューズ電子版などが伝えた。

 この日までのカイケルのヤ軍対戦成績は8試合で6勝2敗、防御率1・09(ポストシーズン2試合含む)。ヤンキース戦で50イニング以上登板した投手では歴代トップの防御率だった。15年のワイルドカードゲーム、今シリーズ第1戦でも田中と対戦し勝利を収めている。

 苦汁を何度もなめさせられた相手への対策として、フレージャーは「通常はプレートを半分に切って外側か内側を見る。ただし、彼に対して同じようにすると、ボールがプレートから逃げていくんだ」と、ツーシームやカットボールなどの変化量が多いため普段のやり方では対応できないことを説明。従って「(プレートの)真ん中だけを見ていれば、ストライクに入ってきた球を打てるチャンスがある。それでストライクを投げさせ、我々は捉えることができた」と、アプローチの切り替えがカイケルからの7安打4得点につながったと明かした。

 一方、ポストシーズン初黒星を喫したカイケルは「ヤンキースタジアムはタフな場所。ここ3試合は(相手が)勢いに乗りまくっていた。でも、金曜日は我々の番だ」と、本拠地ヒューストンに舞台を移す第6戦からの反撃を誓った。第6戦は20日(日本時間21日9時8分)に開始する。