ワールドシリーズ(WS)第4戦が28日(日本時間29日)行われ、ドジャースがアストロズとの競り合いを制し、対戦成績を2勝2敗のタイに戻した。第5戦は29日(同30日)、ア軍カイケル、ド軍カーショーの両エースが先発する。

 緊迫した接戦にケリをつけたのは、若き4番コディ・ベリンジャー一塁手(22)だった。1-1の同点で迎えた9回表無死一、二塁から勝ち越しの二塁打。「今日はいい感じだった。試合前の練習で修正できたんだ」。通常は引っ張り専門だが、この日の練習では全球を左翼へ流し打ち。左中間への2本の二塁打は、試行錯誤の結果だった。

 4月下旬に初昇格して以来、天性の才能が開花。瞬く間に主砲に成長し、ナ・リーグの新人記録を更新する39本塁打をマークした。ところが、今WSでは徹底的にマークされ、この日の第2打席まで13打数無安打8三振。7回表の第3打席でWS初安打となる二塁打を放ったことで、本来の精神状態を取り戻していた。

 かつてヤンキースなどで外野手としてプレーした父クレイは、世界一3回に輝いた。「悪い1日があっても、次の日に勝利に貢献できるのが野球のいいところだからね」。主砲が目覚めたド軍から、またひとつ懸念材料が消えた。(ヒューストン=四竈衛)