【アナハイム(米カリフォルニア州)2日(日本時間3日)=斎藤庸裕】二刀流復活をかけて今シーズンに臨んだエンゼルス大谷翔平投手(26)に、再び試練が訪れた。右肘のトミー・ジョン手術から復帰2戦目の登板となったアストロズ戦で1回2/3を投げ5四球2失点で降板。最後の打者に対しては直球の球速が急降下し、異変が見られた。降板後に右腕の違和感を訴え、病院へ直行。MRI検査を受けた。結果次第となるが、軽症でも今後の投手起用に影響を及ぼしそうだ。

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大谷は苦しんでいた。2回2死満塁。9番ガルノーに対し、声をうならせて投げたこん身の内角直球がわずかに外れ、押し出し。天を仰ぎ、腰に手を当て、首を横に振った。続くスプリンガーの打席では制御がきかなくなった。初球スライダーが外角へ外れ、がっくり。腕をかばうような不自然なフォームとなり、直球の球速は89・1マイル(約143キロ)まで落ち込んだ。連続押し出しで交代。険しい表情でマウンドを降りた。

右腕を気にしたのは2回無死一、二塁。6番レディックへの6球目、全50球中の28球目、この日最速の97・1マイル(約156・3キロ)の直球を低めに決めた。振り切りの反動で体の前に戻って1度止まるはずの右腕を、フォロースルーでぶらぶらさせた。その後、アンダーシャツの袖を直すように前腕から上腕を触った。アクシデントの兆候は少しずつ表れ始めた。

降板後に右腕の違和感を訴え、病院へ直行した。MRI検査の結果次第では、今後の二刀流起用に影響を及ぼしかねない。仮に軽症だとしても、次回登板でチームも大谷自身も再発の不安がぬぐえないだろう。だが、レギュラーシーズン中のため調整登板もままならない。負けられない試合では腕の振りの強度も自然と上がり、ケガのリスクも上がる。公式戦登板は当面、見送る可能性も出てくる。

7月26日(同27日)の復帰登板から中6日。この間に打者として2本塁打を放ち、前日1日に体の状態は「至っていいかなと思いますね。動きも悪くない」と順調な調整ぶりを口にしていた。二刀流復帰を期待され、万全の状態で臨んだ異例の3年目シーズン。「ケガなくしっかり出続けるというのが一番大事」と意気込んでいたが、再び試練が訪れた。