2月中旬から予定されているMLBの春季キャンプに関して、15球団が練習施設を置くアリゾナ州の「カクタス・リーグ」が延期を要望していることが25日(日本時間26日)、明らかになった。米国の一部メディアが伝えた。キャンプ施設があるフェニックス、スコッツデールなど各市の市長らがMLB宛てに連名で要望書を提出。今後は選手会を含めた折衝次第だが、キャンプインのみならず、4月1日の開幕へ、あらためて不透明な状況が浮き彫りとなった。本紙MLB担当記者がアリゾナの現状を伝える。

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昨年3月、コロナ感染が拡大し春季キャンプが中断して以来、アリゾナから球音は完全に途絶えた。その後、少年野球を含め、リアルな試合にはお目にかかっていない。

各行政区の方針に違いがあるとはいえ、各学校は基本的にリモート授業。パソコン機器などを無料貸与し、全生徒にアクセスできる体制を維持しているものの、卒業記念の「プロム」や同窓会的な「ホームカミング」などのイベントも中止された。拙宅の娘3人も、過去10カ月間ほど、友人とはまったく会っていない。日常の最低限の買い物にしても、1人または2人に限定。「密」どころか、接することを回避する生活が基本となった。

1月7日。ダルビッシュが、自身のツイッターで「スプリングトレーニングが1カ月ちょっとで始まるんですが、普通に無理な気が」と発信した。同じ米国に住む立場からすれば、本音はダルビッシュの言葉通り。通常通り開催することは念願であっても、おそらく現実的ではない。【アリゾナ州在住・四竈衛】