今オフ、FAとなる大谷が、またも敵地で「ラブコール」を受けた。レンジャーズ戦に「2番DH」で出場したエンゼルス大谷翔平投手(29)が、同地区の宿敵のファンから起こった「テキサスへ来て」の大合唱の中でプレーし、4打数1安打。エ軍が完敗した一方、あらためて別格のスーパースターとしての立場が明確になった。
◇ ◇ ◇
無走者の1回、3回だけでなく、5回2死一、二塁の第3打席。レ軍にすれば、1発が出れば同点となるピンチでも、大谷へのラブコールが敵地球場に響き渡った。メジャーの主要球場で右中間席といえば、熱狂的なファンが詰め掛ける「ブリーチャーズ・シート」として知られる。そんな敵の本陣が「COME TO TEXAS(テキサスへ来て)」のボードを掲げ、大合唱を繰り返した。
7月にシアトルで行われた球宴の際に起こった「Come to Seattle」コールの別バージョンとはいえ、公式戦では異例だった。1回、俊足を飛ばして一塁内野安打。左腕チャプマン相手の8回は、102・8マイル(約165・4キロ)の速球に詰まらされて二ゴロに倒れた。敵地にもかかわらず、安打でもアウトでも、豪快な空振りでも歓声とため息交じりの反応が漏れるほど、大谷への注目度は特別だった。
レ軍といえば、花巻東時代からフロント主導で大谷をフルマークし、米移籍当時も有力候補に挙げられた球団。ファンの後押しがなくとも、今オフの争奪戦に参戦する可能性は高い。その一方で、シャーザー、デグロムの両先発、シーガー、セミエンの二遊間の主軸計4人で来季年俸は1億4000万ドル(約196億円)を超える。しかも、シャーザー以外は複数年の大型契約を残すため、最低でも総額5億ドル(約700億円)とも見込まれる「大谷資金」を捻出することは簡単ではない。
連敗したエ軍は、今季最多の借金「3」。ワイルドカード争いで8差まで退いた。前日、怒りを隠さなかったネビン監督が「我々は厄介な投手と対戦している」と、相手の好投を認めざるを得ないほどの完敗だった。トレード期限終了後の8月は、リーグ最低勝率の3勝11敗と大失速。プレーオフ進出を逃せば、今遠征が同地を訪れる最後の機会となる。敵地ファンから勝敗を度外視したラブコールが起こる現実を、大谷はどう受け止めるのだろうか。【四竈衛】



