【フェニックス(米アリゾナ州)11日(日本時間12日)=四竈衛】ロッキーズ菅野智之投手(36)がダイヤモンドバックス戦に先発し、6回6安打2失点と好投。今季日本人メジャーで単独トップの12勝目(5敗)を挙げた。先行されながらも粘り強くアウトを重ね、逆転劇を呼び込む、熟練の投球術を披露した。
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相手打者の心理、狙い球を見透かしているかのように、菅野は各球種を自在に操った。同点に追い付いた直後の6回。中軸が並ぶ好打順に対し、菅野は出し惜しみすることなく、引き出しを開けた。3番モレノには速球系を3球続ける、まれな配球で3球三振。不運な内野安打の後は、5番アレナドを外角へのスライダーで遊ゴロ併殺。「あれはすごく良かったと思います」。珍しく自賛するほど、完璧な駆け引きだった。
相手の中軸を封じたことで、7回に自軍が1点を勝ち越し。菅野が白星を手にした。初回にソロ2本を浴びても「ちょっと勝負を急ぎ過ぎた」と、客観的に自己分析。走者を背負えば、球数を費やしても、丹念に両角を突いた。2回以降は三塁を踏ませず、ピンチの芽を摘んだ。シェーファー監督が「トモ(菅野)はダメージを最小限に食い止める能力がある」と称賛した通り、マウンド上での修正力の高さ、野球IQの高さは、メジャーでも変わっていない。
昨季、わずか43勝に終わり、チーム再建途上のロ軍は、今季すでに47勝目(73敗)を挙げたとはいえ、借金は「26」。その中で、菅野1人でチーム勝利数の4分の1以上を稼ぎ、貯金「7」を積み重ねた。ただ、菅野個人に無用な欲はない。「僕みたいなタイプは派手さがないので、地道にゲームプランを練って、それをいかに考えて配分できるか。気づきだったり、打者の対応を見ながら柔軟に変えていくというのも、すごく大事な作業だと思います」。膨大なデータを事前にインプットする一方、観察眼、長年の間に身に付けた感性をフル稼働させてきた。
現時点で投球回数は113回2/3。それでも、規定投球回(162回)には固執していない。「まあ、オマケみたいなもの。1試合1試合です」。たとえプレーオフとは無縁でも、プロフェッショナルとして、菅野はやるべきことを、一切変えるつもりはない。



