【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)14日(日本時間15日)】ドジャースがブルワーズを相手に痛恨の逆転負けで3連敗を喫し、崖っぷちに立たされた。「6番DH」で出場した大谷翔平投手(32)は、2打数1安打。第4打席で中前へクリーンヒットを放ち、打球速度113・5マイル(約183キロ)をマークした。シリーズ突破率2・4%と追い込まれた中で、奇跡の男が目覚めるのか-。斎藤庸裕記者が占った。先発したブレーク・スネル投手(33)は、7回に突如崩れて計4失点。元プロ野球投手で日刊スポーツ特任記者の鈴木優氏が、勝敗を分けた攻防を分析した。

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スネルは初回、ブルワーズ先頭のチョウリオに初球を捉えられ、右越えに先制ソロを献上した。7回には2者連続弾で逆転され計4失点で降板。先発投手が最初の1球と最後の1球、どちらも本塁打にされたのはポストシーズン史上初だった。「先頭打者ホームランは、ただただいら立たしかった」。試合後、スネルは言葉を絞り出した。

スミスの逆転2点二塁打で1点をリードした直後、今季初めて7回のマウンドへ向かった。3~6回は3者凡退を続け、6回まで81球で1失点のみ。だが7回、先頭のボーンをフルカウントから歩かせた。投手心理としては、逆転した次の回に連続四球だけは出したくない。続くバウアーズに粘られた。フルカウントから3球連続ファウル。迎えた11球目、そこで代走のイエリチがスタートを切った。左腕の視界に、その姿が飛び込む。同じ投手だった身として知っている。一瞬、頭の片隅で意識が走者に持っていかれる。

直球はすっと真ん中へ入った。右翼への逆転2ランとなり、スタジアムが静まり返った。四球を出したくない心理に加え、何度もスタートを切っていた走者が視界に入る。それらの要素が重なった失投に見えた。

さらに次打者ミッチェルへの初球98・2マイル(約158キロ)は力んでボール。捕手スミスは、落ち着かせる意図があったのかチェンジアップを要求したが、捉えられて連続被弾。あっという間に3点を奪われ、球場の大型ビジョンには泣き出す子供の姿が映っていた。スネルは「1試合で3本ものホームランを許すなんて、今シーズンは一度もなかったこと。本当に悔しく、自分自身に腹が立つ」と振り返った。

逆転弾を浴びたバウアーズは、第2戦で先発した由伸(山本)も粘られ、12球投げて四球を与えた。ピンチを広げ、結果的に失点につながった。ゾーンの甘いところを攻めれば長打にされ、際どいコースを攻めれば粘られる。四球で出塁させれば、足を絡めて1点を取りに来る。勢いに乗るブルワーズ打線を攻略する難しさだ。

「これも学びであり、これを通してよりよい投手になっていくだけ。明日はシーズン最大の試合。みんなで一つになり、勝つ方法を見つけるしかない」

スネルの言葉は、静かだからこそ重い。昨年のリーグ優勝決定シリーズは、由伸も初回先頭のチョウリオに初球弾を浴びた。それでもチームは世界一になった。由伸をはじめ、先発陣が長いイニングを投げ切り、突破率2・4%の“奇跡”をもう一度起こしてほしい。