3年ぶりの1軍マウンド。本拠地の景色を見ながら、巨人代木大和投手(22)の耳には声援の声がはっきり届いていた。

「意外と冷静でした」

その歓声が背中を押してくれていると感じた。

9点リードの7回から3番手での登板だった。

「シロキ! シロキ!」の大合唱が歓迎してくれた。

21年、明徳義塾からドラフト6位で入団した。23年5月14日広島戦(東京ドーム)以来。プロ2年目で開幕から1軍をつかみ、それから13試合目の広島戦を最後に、1軍は遠ざかった。

24年にトミー・ジョン手術「左肘内側側副靱帯(じんたい)再建術」を受け、昨季から育成契約に。オーストラリアや、ハヤテベンチャーズ静岡への派遣も経験し、20日に支配下選手契約がかなった。

「3年前は何もわからずに上がったままだったので、常に一生懸命でしたけど、違った意味で余裕があるというか。冷静さが出てたのかなと思います」。

10代で踏んだ1軍マウンド、大けがをへての1軍マウンド。22歳は明確な違いを感じていた。

「いろいろ経験しましたからね。プレッシャーを背負って頑張りますよ!」

試合前に、少ししみじみ話してもいた。

それから約5時間。新背番号「25」は間に合わず、育成時代の「068」を背負って腕を振り始めた。先頭の9番二俣は三ゴロ。1番秋山へはこの日最速153キロの直球一ゴロ、佐々木からは新たな武器としてハヤテで磨いてきたチェンジアップで空振り三振を奪った。

2イニング目となった8回は、先頭の勝田を投ゴロとしたが、続く坂倉に右二塁打、2死から小園に適時打を許した。大盛を投ゴロに切って3つ目のアウトとし、悔しそうな顔を浮かべた。

「カウント不利にすることもありましたけど、そこからしっかりと立て直すこともできましたし、点は取られたんですけど、自分の投球はできたのかなと思うので。次はしっかり0に抑えられるように」

反省も収穫も、1軍マウンドには詰まっている。

「(3年前に)1回上がらせていただいて投げたことが、ほんとに僕のリハビリの励みになってたので。なんとしてもね、今年は自分が投げるっていう思いを強く持って挑んだシーズンだったので。やっとスタートライン立てたなと思います。今後も自分の投球をしたい」

感傷に浸らず、気を引き締めるように、強く誓った。