世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(38=米国)が、無敗のまま引退を表明した。WBA同級暫定王者アンドレ・ベルト(32=米国)を攻守に圧倒し、3-0の判定で勝利。56年に引退した伝説の元ヘビー級王者ロッキー・マルシアノ(米国)の49戦全勝に肩を並べ、通算戦績は49勝(26KO)無敗。希代の天才ボクサーがリングに別れを告げた。

 試合終了のゴングを聞いたメイウェザーはリング中央でひざまずき、天に向かって拳を突き上げた。「これでキャリアは終わりだ。私はすべてを成し遂げた。お金も十分にあるし、これ以上やるべきことはない」。両肩にベルトをかけ、あらためて引退を強調した。

 「ラストマッチ」も勝負に徹した。開始直後からスピードで圧倒し、4回には右フックを左側頭部に決めベルトをぐらつかせた。KOを求めるファンからのブーイングも、どこ吹く風。終了間際には、ダンスを踊るようなフットワークも披露し“らしさ”全開だった。判定は118-110、117-111、120-108と大差だった。

 プロデビューから丸2年の98年10月の18戦目でWBC世界スーパーフェザー級王座を獲得。驚異的なスピードと、卓越したディフェンス技術を武器に、07年に史上初めて無敗のまま5階級制覇を達成した。金遣いの荒さなどから「マネー(金の亡者)」の異名も定着。90年代以降のボクシング界を「ヒール」のスーパースターとしてけん引した。

 今年5月の6階級制覇王者パッキャオとの「世紀の一戦」に勝利し、49戦目を最後に引退する意向を示していた。全勝記録については「次のメイウェザーが破ってくれればいい」。不世出の天才ボクサーが伝説のままリングを去った。