IWGPヘビー級王者ケニー・オメガ(34)が、内紛騒動に翻弄(ほんろう)されながらもBブロック唯一の3連勝を飾った。リーダーを務めるユニット「バレット・クラブ」で反旗を翻すタマ・トンガ(36)と因縁の対決。他選手の乱入など混乱のリングの末、最後はトンガの審判への攻撃により反則勝ちとなった。

 オメガが嘆いた。「反則ざんまいで俺を痛めつけて喜んでいる姿に、見ていて悲しい気持ちになっただけだ」。仲間だったトンガへ、あきれるように言った。今月の米国大会でのV1達成後、背後から襲われて「バレット・クラブ」は内紛状態に。G1開幕後も、試合を無視するかのような横暴が目に余っていた。

 この日もロアとファレを引き連れリングインしたトンガにゴング前に急襲された。試合中もロアの介入で1対2の場面も。Vトリガー(変形ニーアタック)で形勢を一気に変える王者の実力は健在だったが、人数の不利は致命的だった。結局、暴走するトンガが海野レフェリーにガンスタンを食らわせて反則勝ちとなった。

 外国人選手として初めてG1を制覇したのが16年。昨年は準Vで、今年は史上初の3年連続の優勝決定戦進出がかかる。ヘビー級王者としても18年ぶりの頂点に挑む。造反騒動に揺れながらも、進むしかない。