元WBA王者宮尾綾香(35=ワタナベ)が王者に返り咲いた。前WBO王者池山直(49=フュチュール)と2年ぶり3度目の対戦。初回に右ストレートでダウンを奪い、その後もクリーンヒットの差で3-0の判定勝ち。15年にWBC王者小関桃(青木)との2団体統一戦で敗れて陥落以来、3年ぶりで王座を奪回した。

開始のゴングから20秒後、右ストレートが池山の左顔面をきれいにとらえた。池山はたまらず両手をキャンバスについた。「びっくりしたけど、練習通りに自然に出た。しっかり当てようとやってきた」と、練習の成果だった。その後は「ポイントの差を守ろう。毎回できることをやっていこうと思った」と、右アッパーや左フックを的確に当ててリードした。

前回の池山戦は10年ぶりでの対戦で挑戦したが、スリップダウンで右ひざの靱帯(じんたい)を断裂して7回TKO負けした。1年半のブランクを作ったが「もう1回王者になりたい」という一心で再起した。「ベルトもうれしいし、初めて勝てたこともうれしい。負けっ放しはいやだから」と笑みがこぼれた。

当初は正規王者アラルコン(メキシコ)に挑戦予定も、王者がケガで設定された暫定王座戦だった。「新しい宮尾も見せられた。まずは早く正規王者になりたい」と王座統一を次の目標に挙げた。