元K-1世界3階級制覇王者で、現在は世界最大級の格闘技団体ONEを舞台に活躍するキックボクサー武尊(34=team VASILEUS)が、4月29日の「ONE SAMURAI 1」(東京・有明アリーナ)でロッタンとの引退試合を迎える。そんな中、“カリスマ”武尊が抜けることで今後のONE、とりわけ日本で開催する「SAMURAI」の行く末を心配するファンは多い。
だが武尊の考えは違う。「ONEは強さを競う大会として盛り上げてて、実力者しか出てないので。エンタメ重視で(選手のSNSの)フォロワー数が多いから大会ができてたり、興行が成り立ってるわけじゃないですから。そういう意味では僕がいなくなっても、まだまだ強い選手は日本でもたくさんいる。そういう選手が海外の強豪と戦って結果を残すことで、盛り上がりは続くと思います」とあまり心配していない。
むしろ武尊が心配しているのは、エンタメ重視の大会がはびこる現在の格闘技業界の現状だ。「他の競技…野球とかサッカーとかバスケットボールとか、国民がみんなで応援するような競技にするには(エンタメ重視の)あのやり方だったら絶対うまくいかないし、本当に一時的にお金が稼げるだけ。盛り上がってるからよしとしちゃってるけど、実際は運営と選手が目先のお金が欲しいだけで、業界の将来のことは何も考えてない」と警鐘を鳴らす。
続けて「それによってこの業界のイメージが損なわれるし、将来、子供たちが目指すスポーツになっているのか、親が子供にやらせたいスポーツなのかっていうところでは絶対マイナスなんです。だからこそONEみたいに選手がアスリートとして応援される格闘技を僕は有名にしたいし、そっちが主流だと思わせたいですね」と力を込めた。
とはいえ武尊のようなカリスマが再び出てくることをファンは待ち望んでいる。それについて武尊は「魔裟斗さんの時もそうですけど“後継者”として何人か(メディアで)特集されたり、そういう風に仕立て上げられた選手っていたと思うんです。でもそれだと魔裟斗さんを超える、過去を超えられる選手にはなれない。だから僕の後継者って思ってるうちはまだダメで、あの時代、あの選手をこの選手は超越するんだろうなみたいな、そのぐらいの勢いを持っている選手が出てきて、また変わっていくんじゃないかなと思います」。自分を超えるような実力、カリスマ性を持ったファイターの登場に期待した。(続く)【千葉修宏】

