“ナチュラルボーン・クラッシャー”武尊(34=team VASILEUS)が「ONE SAMURAI 1」(4月29日、東京・有明アリーナ)でロッタン・ジットムアンノン(28=タイ)との引退試合を迎える。
あれだけ記憶に残る激闘を幾度も繰り広げてきた男は、引退後に何をするのか。それについて尋ねると「指導者はやらないですね。格闘技に関しては、解説とかはやるかもしれないですけど。ジムに関しても全然、僕はそういうの(経営など)を考えてないです」と少々意外な答えが帰ってきた。
現在、仲間のセコンドにつく姿もよく見かけるが「僕が人にあまり厳しくできないタイプなので指導者に向いていないのと、小学2年生ぐらいから格闘技しかやってきていないので、それだけで人生を終わらせたくないなって。でも格闘技は好きなので、それ(解説など)もやりながらです」と、指導者にならない理由を説明した。
その上で「(映画・ドラマなどで)アクションはやりたいですね」と引退後のプランの一端も明かした。「僕は試合中もお客さんからの見え方とか、そういうのを考えてるんです。やっぱりお客さんが喜んだり、湧いてくれるのがうれしくて。そういう意味でアクションはそれの究極というか。見てる人を本当にエキサイティングな気持ちにさせてくれるので、やりたいですよね」と目を輝かせた。
とはいえ、武尊の引退試合はロッタンとの「ONEフライ級キックボクシング暫定世界王座決定戦」。もしベルトを獲得したら、ONEのチャトリCEOが簡単に武尊を引退させるだろうか。猛烈に慰留するのではないだろうか。武尊は「僕がやめるって言ったらやめることになるんで」と笑いながら、引退への気持ちが揺らぐことはないと断言。その上で、チャトリCEOへの感謝の言葉も口にした。
「結構、思ったことが口に出ちゃうんで、イメージがあんまり良くない人もいるかもしれないですけど(笑い)、選手への愛情とか格闘技への愛情は、たぶん全世界の格闘技団体の中で一番だと思うんですよ」とたたえ、「『武尊がうちの団体で戦ってくれてうれしい』とか『武尊のこういう試合が見たい』とか、しゃべる言葉にリスペクトがあふれてる。こちらが意見も言えるし、ちゃんと聞いてくれる。それは日本では感じたことがなかったので。それが僕が格闘技人生をここで終えたいと思った理由です」。最高の環境を得た武尊は、王者としてリングを去る完璧なエンディングで選手生活を締めくくるつもりだ。【千葉修宏】(おわり)

