横綱白鵬(30=宮城野)が、痛恨の初黒星を喫した。栃煌山のいなしに足がついていかず、バッタリ左手をついた。立ち上がると、悔しげに顎を上げてひとにらみ。「(栃煌山の立ち合いが)低かったし、圧力があった」。過去28勝1敗と圧倒していた相手に苦杯をなめ、優勝争いを再び混戦にしてしまった。

 自らまいた“火種”のせいで、取組前から周囲は騒がしかった。前日の逸ノ城戦で寄り切った後、顎をわしづかみにしたダメ押し行為について、その夜のうちに審判部から師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)へ、注意を促す電話があった。この日、同親方は審判部に自ら出向き、伊勢ケ浜部長(元横綱旭富士)に「本人(白鵬)にきちんと言いました。反省していた」と釈明。同部長からは「今後こういうことのないように、きちんとしてください」と口頭でも注意を受けた。

 審判部から師匠を通じて注意された形になった白鵬は、栃煌山戦後に素直に改心する姿勢を見せた。伊勢ケ浜部長が「相手を敬う気持ちを持ってほしい」と指摘したことを伝え聞くと「抑えるところは抑えて。勝負の世界ですから。意識してちゃんとやっていきたい」と話した。【木村有三】