大相撲の十両若の里(39=田子ノ浦)が、悲しみをこらえて“最後”の巡業に臨んでいた。父古川善造(こがわ・ぜんぞう)さんが17日午後11時23分、心筋梗塞のために青森県鰺ケ沢町の病院で亡くなっていたことが19日、明らかになった。72歳だった。

 19日は八戸市で、20日も七戸町で巡業が開かれる。幕下転落は確実で引退は決定的だが、引き伸ばしてきたのは地元青森県での2つの巡業のためだった。その2日前の訃報。「まさか、このタイミングで…。体調は良くなかったが、亡くなるほどのことではなかった。もうちょっと長生きしてほしかった。今日か明日の巡業を、見に来てほしかった」と気丈に打ち明けた。

 訃報は17日午後11時半ごろ、兄善一さんから受けた。18日の秋田・三種町での巡業後、弘前市の実家に寄って悲しみの対面を果たした。手を合わせ、線香を上げた。「15歳で大相撲に行くと言ったとき、賛成も反対もしなかった。『自分の人生は自分で決めろ』と。引退かと言われる中で千秋楽を取り終えて、それでオヤジも力が抜けちゃったのかな…。最後まで息子の相撲を見届けて亡くなったのは、オヤジにとって良かったんじゃないですかね」。感謝の思いを伝えてきた。

 ただ、その足で巡業に再合流した。「今日、明日は巡業がある。オヤジのことよりも巡業優先です」。通夜は21日午後6時、葬儀・告別式は22日午前11時から、弘前市船水2の2の4、石渡博善セレモニーホールで営まれる。喪主の善一さんが巡業後にしてくれた。力士若の里を全うした後で、次男古川忍として、父に会いに行く。【今村健人】