31歳が悲願の初制覇に挑む。3敗にトップに並ぶ西前頭9枚目の北勝富士(31=八角)が初の賜杯を手にするために2番勝つことが求められる。千秋楽本割で錦木(伊勢ノ海)に勝った上で、豊昇龍-伯桜鵬の勝者との優勝決定戦に臨むことになる。今場所の北勝富士について振り返る。

大関とりの3関脇、新入幕伯桜鵬ほど注目度は高くなかったが、着々と白星を積み上げてきた。4日目以降は7連勝し、12日目には過去5戦全敗の豊昇龍を破った。一時は単独トップにも立ち、あれよという間に優勝候補の筆頭格に踊り出た。13日目には遠藤を寄り切り、幕内では6度目の11勝を達成しながら、それ以上がないため「12勝したい」と視線を向けた。14日目に伯桜鵬との大一番に敗れて単独トップから引きずり下ろされたが、「しっかりとチャンスをつかみたい」と気合を入れ直した。

場所中に31歳を迎え、円熟味を増す。今場所にかける思いは強い。師匠の八角理事長(元横綱北勝海)が9月2日に両国国技館での還暦土俵入りを行うことが明らかにされ、そこで露払いを担当することになっている。師匠の節目に花を添えるべく気持ちを引き締める。

現役理事長の弟子が優勝すれば、1963年(昭38)名古屋場所で、当時の時津風理事長(元横綱双葉山)の弟子の大関北葉山が優勝して以来60年ぶり。本割、優勝決定戦に勝った先に、歴史的な快挙達成が待っている。

◆北勝富士大輝(ほくとふじ・だいき)1992年(平4)7月15日生まれ、埼玉・所沢市出身。本名は中村大輝。小4から相撲を始め埼玉栄高3年で高校横綱、日体大2年で学生横綱。八角部屋から15年春場所で初土俵。16年九州場所の新入幕を機にしこ名を大輝から改名。師匠の八角親方が現役だった当時の師匠、北の富士勝昭氏(元横綱)にちなむ。19年春場所で新小結に昇進。得意は押し。184センチ、158キロ。