9度目の賜杯は譲れない。3場所休場明けで復活優勝を目指す横綱照ノ富士(32=伊勢ケ浜)が、初土俵から5場所目の西前頭15枚目の大の里(23=二所ノ関)を寄せ付けず、2敗を守った。14年秋場所以来となる新入幕力士の横綱挑戦にも全く慌てず。豪快な上手投げで仕留めた。

◇  ◇  ◇

新入幕に屈するわけにはいかない。照ノ富士は、14年秋場所13日目の逸ノ城以来、10年ぶりの新入幕金星を狙う大の里と対戦。立ち合いから相手の強烈な当たりをピタリと止めると、壁のように全く動かない。落ち着いて組み止め、左の上手を振って豪快な投げ。192センチ、183キロの大の里を土俵下に吹っ飛ばした。圧巻な攻めで貫禄を示し、館内を沸かせた。

「(大の里は)腰が高いんでね。最後はああいう形になった」と、流れの中から好機をつかんだ。これで8日目から5連勝。それでも「良い時に比べたら程遠い」と、いまだ納得がいってない顔つきだった。初土俵から5場所目ながら活躍を見せる若武者には「勢いある若手といっても、まだ8番しか勝ってないじゃん」と意に介さずも、「良い物は持っていると思うし、相撲を見ていても一気に攻める。これからが楽しみ」と、将来の有望株をしっかり気遣った。

13日目の相手は、1差で追う単独トップの琴ノ若。勝てば優勝争いに生き残るが、敗れれば一気に自身9度目Vが遠のく。そんな大一番にも「まだ3日ありますから」。目の前の一番に、集中する。【平山連】