大相撲の第64代横綱を務めた米国ハワイ出身の曙太郎さんが心不全で亡くなっていたことが11日、分かった。54歳だった。
同期入門だった若貴兄弟としのぎを削り、93年初場所後に2人より先に、横綱昇進。史上初の外国出身横綱になった。
2人のかたき役にもなり膝の故障になかされながら、長身を生かした突き押し相撲で11回の幕内優勝を遂げた。
現役引退後は総合格闘家としても活躍。近年は闘病生活を送っていたが、今月に入り体調が急変していた。
◆横綱曙の思い出の一番◆
▽91年九州11日目
○舞の海 内掛け 曙●
身長差33センチ、体重差103キロの注目の一番。初顔合わせ。三所攻めなどで揺さぶられ、なぎ倒された。目は真っ赤。
▽93年名古屋優勝決定ともえ戦
○曙 寄り倒し 貴ノ花●
関脇若ノ花、本割で敗れた大関貴ノ花に連勝。横綱3場所目で初の優勝。通算4度目V。
▽93年九州13日目
○曙 寄り切り 小錦●
兄と慕う小錦は8敗目となり、大関転落の引導を渡すかたちに。「今日の立場はつらい。育ててくれた人だから」
▽97年夏千秋楽
○曙 浴びせ倒し 貴乃花●
本割、優勝決定戦と横綱貴乃花に連勝し、13場所ぶりの優勝で「感無量です」
▽00年九州千秋楽
○曙 寄り切り 武蔵丸●
ボロボロの膝で20世紀最後の場所を制した。出場した最後の場所で優勝して引退した力士は76年ぶりだった。