大相撲秋場所(14日初日、東京・両国国技館)を新三役として臨む小結安青錦(21=安治川)が、出稽古に来た西前頭9枚目の藤ノ川(20=伊勢ノ海)を圧倒した。

9日、都内の部屋で2人は三番稽古を行い、計10番で安青錦の9勝1敗。関取衆と相撲を取る稽古は、5日に行われた横綱審議委員会(横審)による稽古総見以来、4日ぶりだった安青錦は「体が動いていてよかった。藤ノ川関とは(相撲)教習所から一緒で、思い切りきてくれて力を抜かない。気合の入った稽古をしてくれる」と、手応えを口にしつつ、幕内2場所目で伸び盛りの同世代に感謝した。

立ち合いから一気に突いて出たり、まわしを取って上手投げで転がしたりと、本場所さながらの迫力のある稽古を続けた。前日8日の時津風一門の連合稽古で、藤ノ川は一門外から参加した横綱豊昇龍と途中まで互角。最終的には4勝7敗ながら、途中まで4勝3敗と白星を先行させるなど、調子は悪くなかった。その藤ノ川が、この日の稽古後「強すぎる。レベルが違いすぎて嫌になる。毎回、10番ぐらい取って、勝つのは1番ぐらい」と、白旗を揚げるほどだった。

今場所の番付、西小結は慣例に従えば、初日は東横綱との割が組まれる。つまり横綱大の里と初日で顔を合わせる可能性が高い。先場所は完敗。師匠の安治川親方(元関脇安美錦)は先場所の大の里戦を振り返り「初めての横綱戦で、いろいろ考えて取ったとは思うけど」と、気負いや緊張なども影響したと推測。その上で「今場所はしっかりと相撲を取れるように準備していきます。そう(白星発進に)なるように期待しています」と、いきなり迎える優勝候補同士の一番を制することで、勢いに乗ることを期待した。

安青錦も初日が大の里戦となることは想定しているようで「当たるのが初日でも中日でも、やることは変わらない」と、すでに心の準備はできている。付け出しを除く、初土俵から所要12場所と、最速で三役に駆け上がったウクライナ出身の新星は、秋場所の主役へと着々と前進していた。