◇9月7、8日◇兵庫・三田市の姫神バスキッピースタジアム、甲子園

ポニー筑後リバーズ(福岡)が決勝で宮城仙北ボーイズ(宮城)を3―2の逆転サヨナラで初優勝した。大会は中学硬式野球の5団体(リトルシニア、ヤングリーグ、ポニーリーグ、ボーイズリーグ、フレッシュリーグ)の夏の全国優勝チームによるトーナメント。昨年初代王者に輝いたポニー佐賀ビクトリー(佐賀)に続き、ポニーリーグ代表が2連覇を達成した。

【タイブレーク9回裏】

1死満塁から始まるタイブレークが9回裏を迎えた。1点リードを許した筑後は1番黒岩空翔(らいと=3年)が押し出し四球を選び同点に。続く牛嶋太一(3年)の一撃は三遊間を痛烈に抜けた。ベンチからサヨナラ勝ちを信じてナインが飛び出す。しかし、相手レフトは諦めず、猛チャージをかけ本塁に返球する。三塁走者の秋山颯星(はやせ=3年)が、体を伸ばしてフォースアウトを狙う捕手の足元を滑り抜けていった。

サヨナラだ!

日本一だ!!

歓喜のナインは秋山のガッツポーズを見届けると、急ブレーキで向きを変え、殊勲の牛嶋を迎えに行った。

2回表に1点先制され、その後は3者凡退の山を続けた。流れが変わったのは5回表、2番手投手の田中光輝(3年)が先頭から連続四球などで無死二、三塁。次打者の中飛に追加点を覚悟した瞬間、回り込むように落下地点まで助走をつけた秋山がワンバウンドで本塁に送球。捕手の黒岩が回り込む走者に落ち着いてタッチして、併殺が完成した。

【奇跡のバックホーム】

まるで18日前の夏の甲子園準決勝の9回、関東第一高の中堅手が同点のホームを狙った二塁走者を本塁で刺した場面がよみがえる。守備位置に就くたび、思い出したという秋山は「自分もやってみたかった。打球が飛んでこいと思っていました」と、狙って起こした「奇跡のバックホーム」だった。

5回裏こそ3者凡退だったが、6回裏、大隅孝太郎(3年)の一塁強襲安打で同点として、前日の準決勝、兵庫加古川ヤング戦に続く逆転サヨナラ劇に結び付けた。

入部英徳監督は昨年の佐賀ビクトリーの優勝が「悔しかった」という。九州では負けなかったチームの日本一に闘志を燃やし、厳しい練習を続けた1年だった。ナインには「甲子園を墓場にしろ。死ぬ気で戦えという意味だ。そして、甲子園を楽しめ!!」と送り出した。普段は冗談が得意な監督の、厳しく強い言葉に選手は腹を決め、落ち着いた全力プレーを繰り広げた。

ポニーリーグは「野球は試合で覚えよう」の理念にのっとり、公式戦を積極的に行い、交代後も再び出場できるリエントリー制を導入するなどして、選手の出場機会を増やしてきた。「傷害は防げる」と全選手へのひじ肩の健診も導入。時代をみつめ、将来を見据えた取り組みが評価されるように、野球人口が減少傾向にある中、加盟チームが年々増えている。

2年連続中学硬式野球日本一は、50周年を迎え、次の50年に向かう「シン・ポニーリーグ」の門出にふさわしい快挙だった。

【ライバルが応援席に】

○…関メディベースボール学院(兵庫)の3年生がポニー全日本選手権決勝で敗れた筑後の応援に駆けつけた。イニング間ごとにポニーリーグ公式テーマソング「夢中になり描こう夢」を歌うなど、筑後の保護者とも協力して応援した。ポニーリーグの「みんなで勝者をたたえよう」の精神で、昨年も同時優勝の末、抽選で出場権を譲った佐賀ビクトリーの応援に駆けつけた。井戸伸年監督は「来年はいよいようちが ! 」と闘志を燃やしていた。