この12月、忘年会の誘いがあったとしてもすべて断ろうと思って多少身構えてはいたのだが、21日現在、そもそも、その種の誘い自体が1件も寄せられていない。よく考えたら昨年もコロナ禍関係なく同じような状況だったため、改めて、自身の人望のなさ及び人間関係の希薄化を認識しつつ、最終的には“東京砂漠”の中で孤立する可能性も視野に入れ、日々を粛々と過ごしているものである。

そんなこんなで最近、会食や外食もまったくと言っていいほどしていないのだがその代わり、食生活は、以前も当欄に記したように大手出前サイトを通じた出前にかなり依存している。

昨日（20日）はデスク業務が非番だったため、夕食（というか3食目）も当該サイトを通じて出前を頼み、それを食べつつテレビ朝日系で午後6時34分～同10時10分まで約3時間半ぶっ通しで放送される漫才日本一決定戦「M－1グランプリ」を自宅で真剣に視聴しようと計画していた。

昼食からだいぶ時間がたち空腹になったので、「M－1」が始まって少ししてから、「M－1は長丁場だし、久しぶりに奮発してすき焼き弁当など、たまには高い出前でも注文するか…」などと考え、同サイトにアクセスしようとしたのだが、何度ブックマークをクリックしてもトップ画面には「エラーが発生しました」「現在メンテナンス中です」「しばらくお待ち下さい」などのメッセージが出るばかりで、数分おきに何度か試みても、いっこうに注文画面につながらないのだ。

この写真のような「すき焼き弁当＋かきフライ付き」的な出前を注文する想定をし、よだれを垂らさんばかりに大脳を活性化させつつ出前サイトにアクセスしようとしたのだが…（※写真はあくまでイメージです）

筆者は同サイトを頻用しているのだが（※例えば今月だけでも21日現在で計27回利用）、最近このようなエラー画面が出た記憶がない。筆者自身のパソコンのネットワーク環境の問題なのか、はたまた、みなが同じ状況なのか調べようとツイッターで検索すると、同出前サイトの公式アカウントが「サービス不具合中」であることを告知しており、サイト側に何らかの障害が起きたことが原因とみられることが判明。

とはいえ、“空腹指数”は加速度的に上昇していき、さらに筆者の大脳内では「すき焼き弁当的なものを数十分後に爆食するイメージ」がすでにセットアップされてしまっていたから、時すでに遅し。さらに、同出前サイトにアクセスできない焦りの感情まで沸き起こってきたから、とても冷静にM－1を見るコンディションではなくなってきた。

「そろそろつながるだろう」「もういい加減アクセスできるのでは」などと淡い期待を抱きつつ、何かにせきたてられるかのように繰り返しサイトのブックマークをカチカチと10回も20回もクリックするのだが、エラー表示は変わらない。

パソコン画面とにらめっこしているうち、いつの間にかM－1はどんどん進行しており、空腹と焦燥感のダブルパンチにより、気づいたら、芸人たちの珠玉のネタがほとんど頭に入っていないという想定外の痛恨事態になってしまったのだ。

ツイッターを見てみると、「つながらない」「落ちた」「M－1観る時にピザ頼めなかった」などと、同サイトの不具合への“悲鳴”が多数書き込まれていた。重なる時間帯（午後6時59分～同9時14分）にはフジテレビ系で「鬼滅の刃」も放送されており、サイト不具合との関連性は不明だが日曜の夜、「M－1」や「鬼滅」をテレビ視聴しつつ出前を注文して食べよう…と計画していた人も多かったと推察される（※ちなみにM－1の世帯視聴率はビデオリサーチ調べで関東地区19・8％。「鬼滅の刃」は同14・4％）。

ほかの出前サービスにチェンジするという手もあったが、筆者の場合、同サイトを長年頻用してポイントがたまっていたり、出前に重要と思われる「信頼感」を同サイトに抱いている上、ほかのサービスに登録するのも手間がかかる上、また、登録作業をしているうちに同サイトが突如復旧する可能性などもあったため、結局その選択肢はとらなかった。

結局、M－1も終盤となっていた午後10時の10分前だか10数分前くらいに筆者の自宅からは同サイトが突然つながるようになり、公式ツイッターでもその後「復旧のお知らせ」告知が書き込まれた。その時間帯でもギリギリまだ受け付けていた飲食店に、魚料理を滑り込み注文。結局「夕食」にありつけたのはM－1が終了した後の、午後10時40分ごろだった。

というわけで今年のM－1に関しては、極限の空腹と、出前サイトがつながらない焦りにより、しっかりと内容を理解して笑えるほど落ち着いて観ることができなかった…というより、そもそもほとんどネタが頭に入っていない。

というわけでこれから慌てて録画を一気に観る。【文化社会部・Hデスク】