政界地獄耳

新型コロナウイルスをめぐる拡大解釈/政界地獄耳

★17日の予算委員会で首相・安倍晋三は新型コロナウイルスの感染が広がったクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の米国人を米政府がチャーター機で退避させたことについて「米側は当初は日本のクルーズ船の中でしっかりとした管理が行われているという考え方だった。長期化する中で日本の負担軽減なども勘案しながら総合的な判断をされた」と説明したように、米政府は日本には任せておけないと判断したようだ。

★武漢から5機に及ぶチャーター機で邦人と家族らを退避させた日本だが、今では米国をはじめ、オーストラリア政府も19日にはチャーター機で同船にとどまる約200人の自国民を救出させる。今後もカナダや香港、イタリアも日本からの救出を検討中だ。そこで気になるのは船を降りた米国人は自衛隊がバスで羽田空港まで輸送したこと。

★この根拠法はというと防衛相・河野太郎は2月14日、自身のブログで「1月31日に自衛隊法83条2項に基づいて、自衛隊に災害派遣命令を出した。命令の概要は新型コロナウイルス感染症対策本部の方針を踏まえ、同感染症の感染拡大の防止が特に緊急を要し、都道府県知事等の要請を待ついとまがないと認められることから、自衛隊法第83条第2項に規定する災害派遣により、感染症拡大の影響により帰国した邦人等に対し、救援活動を実施せよ」と記している。

★米国人は最後の「邦人等」の拡大解釈ということになろうが特に緊急を要しているわけでもないことと、人道的目的による救援が主軸ということだ。防衛相はこうして解説してくれているが、今後も幾多の拡大解釈、超法規があるかもしれない。国会のチェックとメディアの役割は大きい。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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