夏の訪れとともにイカやタコが面白くなる。釣って楽しく食べておいしい。疲労回復に効果があるとされるタウリンも多く含む。千葉・内房の勝山「宝生丸」(高橋賢一船長)ではマルイカがラストチャンス。復調気配のスルメイカは8月末まで楽しめそうだ。静岡・沼津の久料「魚磯丸」(久保田清船長)では夜釣りで狙う。東京湾では大ダコが乱舞している。千葉・富津の「みや川丸」(宮川淳船長)では6月17日、船宿の新記録となる7・3キロが上がった。「粘りと頑張り」で誘い続ければ、意外な大物が乗ってくる。

宝生丸で狙うマルイカはラストチャンス
宝生丸で狙うマルイカはラストチャンス

★「マル」短期決戦

マルイカは内房沖各所で好調が続いている。宝生丸では15センチ前後から30センチ超級まで大小さまざまだが群れに当たれば5本スッテ(オモリ40号)に多点掛けも見られた。数もサオ頭で40匹から80匹台と伸びている。


身が柔らかいため、水深40~80メートルのポイントで着底させたら糸フケを取り、ゆっくりソフトに誘う。「カワハギ釣りに近い感覚でゆっくりソフトにスッテを聞き上げ、聞き下げる。触った感触があったらカンナ(針先)に乗せる感覚で掛けます」(高橋船長)。こちらは7月中旬までの短期決戦だ。

大きな群れに当たって活性が高ければ多点掛けも
大きな群れに当たって活性が高ければ多点掛けも
大きな群れに当たって活性が高ければ多点掛けも
大きな群れに当たって活性が高ければ多点掛けも

★「スルメ」は復調

白浜沖などで狙うスルメイカは復調気配だ。2017年(平29)8月から過去最長となる7年9カ月もの間続いた黒潮の大蛇行が、昨年4月に消えたのが好影響となっている。「一時期の不調から抜け出しました」(高橋船長)。こちらは18センチのプラヅノ、オモリ150号。水深100メートル以上の深場で狙う。ツノは通常5~7本だが、手返しの慣れた人は15~21本も扱うという。宝生丸では道糸にPE2号以下を推奨している。オマツリ防止のために厳守してほしい。

宝生丸で好調が続くマルイカ
宝生丸で好調が続くマルイカ

★伊豆でも好乗り

伊豆でもイカは好乗りしている。日中に出す手石「米丸」では18センチのプラヅノを使う。群れに当たれば爆乗りも見込める。釣れたら開きにして船上干しに。生乾きの状態で持ち帰り、あぶったら七味をかけたマヨネーズにつければうまい。

イカを狙っての夜遊びも面白い
イカを狙っての夜遊びも面白い

魚磯丸は夜釣りで狙う。「時季的にマルイカが7割。イカは総じて成長が早いので、3割程度入るムギイカがどんどん成長して、スルメイカになれば型も大きくなって面白くなる」と久保田船長は期待する。こちらはプラヅノ11センチ。オモリは潮の流れや水深によって80号と100号を使い分ける。「5本ツノの上から2本目などにスッテタイプの赤白を交ぜるといい」(久保田船長)。

魚磯丸のイカは夜釣りで狙う
魚磯丸のイカは夜釣りで狙う

釣り人によっては「オモリグ」で狙っている。三つまたサルカンなどを使ってリーダーと細長いオモリ、ハリス(長さ約1メートル)をつなぐ。2・5号のエギなどをハリスに結ぶ。「大きな群れに当たってタナ(魚の遊泳層)も幅広い場合は5本ツノの方が数を稼げる。1匹ずつ確実に乗せたい場合はオモリグの方が面白いかもしれません」。どちらで楽しむかはあなた次第。


■イカ釣り諸注意

◆歯ブラシ スミをツノに付けたままだと、イカが警戒して乗らない。ポイント移動の際、海水に浸した歯ブラシでこまめに汚れを取ること。これが釣果を伸ばすコツ。


◆ポリ袋は必需品 直接氷に当てると身が劣化する。レジ袋やファスナー付きポリ袋を必ず用意。中に入れて口を縛ったら、クーラーの下の部分に氷を敷いてその上に置くだけ。これで鮮度を保って持ち帰ることができる。


◆指の保護 ツノを結んでいるハリスは太く、取り込む際、指にこすれる。指の皮を傷つけないよう、サックをするとか、釣り用の手袋をしておくといい。


★何だ!?この太さ

「何だ、この足の太さは」。宮川船長が特大ダコがテンヤに乗っかって海面から出てくるのを見ると、思わず驚いた。船宿新記録となる7・3キロ。「4~5キロ級ならお目にかかったことはありますが、こんなのが潜んでいたとはね」。

みや川丸の記録となった7・3キロの大ダコ
みや川丸の記録となった7・3キロの大ダコ

東京湾のマダコ釣りは潮が冷たいせいか、例年に比べ1カ月ほど遅れている。わきも少なく小型がちょろちょろと乗ってくる。そんな中で、突然1キロを超えるサイズが乗ってくる。

「正直、でかいのが乗ればラッキーぐらい。大ダコは運ですから。ただ、最初から最後まであきらめず、ひたすらテンヤを小突き続けることです」と宮川船長は言う。

出船前にテンヤを手に釣り方を説明する、みや川丸の宮川淳船長
出船前にテンヤを手に釣り方を説明する、みや川丸の宮川淳船長

★エギでも同傾向に

テンヤで釣る富津と別に、3~4号のエギで狙うほかの釣り宿でも同じような傾向となっている。300グラム程度の小ダコ主体の中で突然1キロを超えるサイズが乗ってくる。底をはっていたオモリの感触が不意に止まり、ズンッとエギに乗った感触が伝わったら、慌てずゆっくり5つ数える。エギを十分に抱かせる間を与えてゆっくり合わせる。

マダコを狙うエギ
マダコを狙うエギ

千葉寒川「小峯丸」(小峯雄大船長)はオモリ20~30号。エギはナチュラル系からハデな色までひと通りそろえておく。神奈川・金沢八景「太田屋」(太田一也船主)はオモリ25~30号。エギは黄色、白、オレンジが有力という。

6月下旬は気候的に朝晩涼しかった。「ジメジメと蒸し暑くなるような夏本番になって、潮の温度も上がればマダコもわいてくるのではないか」と太田船長は予想している。


■マダコ釣り諸注意

◆獲物が乗ったら 一定のペースで巻く。これは、一定のペースで船べりで手繰るテンヤも同じ。ただし、足の吸盤が船べりにくっつきやすいため、テンヤは取り込みの際に不利。海面近くにマダコが見えたら、十分に腕を伸ばして抜き上げる。エギで釣る場合のロッドは長さと弾力がある分、タモ取りしやすい。


◆ネット 軟体動物のマダコは1ミリでも隙間があれば逃げ出す。釣れたらファスナーの付いた洗濯ネットや、船宿常備のネットに入れて口を固く結んでおく。


◆下処理 ポイント移動の際や港に着いた後、頭を返して内臓、スミ、目玉、クチバシを除く。スーパーなどで精肉や豆腐を買った時に使うポリ袋に入れ、冷凍保存すれば1年は持つ。食べたい時に解凍。その際に水道水で流せば、ヌルは簡単に洗い落とせる。釣ってすぐに食べたい場合、粗塩や米ぬかを用意。足にまぶしてヌルを取る。