政界地獄耳

【政界地獄耳】菅政権の大失敗「アフガニスタン邦人救出作戦」

★政局が混迷し、コロナ禍もめどが立たない中、実は政権の大きな失敗として関係者たちに重くのしかかるテーマにアフガニスタン邦人救出作戦失敗がある。8月31日、自衛隊が拠点とする隣国パキスタンの首都イスラマバードの空港には、隊員約200人と航空自衛隊のC130輸送機2機、C2輸送機1機が待機していたが、防衛相・岸信夫は米軍のアフガニスタン撤退に合わせ、自衛隊機を撤退させた。外相・茂木敏充は言い訳に始終する。「自衛隊も決して遅かったとは思いません。十分退避に間に合うタイミングで行き、スロット(空港の発着枠)も取り、輸送手段も確保し、オペレーションを進めたが、そういった事案(自爆テロ)が起こった」。

★8月中旬から退避作戦の準備は続いていたというが、自衛隊機が飛んだのは8月24日。だが民間邦人と関係するアフガニスタン人500人は見捨てられた。カブール陥落の15日には在アフガニスタン大使館幹部は既に国外に脱出していた。その点、韓国政府の動きは速かった。関係するアフガニスタン人とその家族391人は8月26日にはソウルに到着し、長期滞在許可証を取得したという。

★英国やフランスはカブール空港に臨時大使館を設置し両国大使はビザの発給などの陣頭指揮を最後までしていたことを考えれば外務省ののろまな判断、大使の腰抜けぶりが世界に恥をさらすほどのお粗末ぶりといえる。元防衛相・中谷元は「『在外邦人等輸送』(自衛隊法第84条の4)と『在外邦人等保護措置』(自衛隊法第84条の3)で、外務大臣から防衛大臣に対する依頼があれば、自衛隊が日本人と外国人を国外に退避させることができる」という。別のベテラン自民党議員が言う。「これを台湾有事に置き換えてみたら空恐ろしい。台湾邦人救出、台湾人難民保護でと考えたら、それだけでこの内閣は相当の失敗をしでかしている」。自分だけの延命が首相・菅義偉の思いか。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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