日中暑くなるこれからの時季、涼しさとおかずを求めて手軽な夜釣りはいかがだろう。神奈川・野島「村本海事」(関口真一船主)では、今月からカサゴとメバルの夜釣りを始めた。昨年初めて狙い、今年で2シーズン目となる。別名「夕涼み船」。東京湾の夜景を見ながら「5時から男」と化す。趣味と実益を兼ね、煮付けや揚げ物にするとうまい根魚類を調達だ。

武蔵昌一さんは良型カサゴを連発
武蔵昌一さんは良型カサゴを連発

★50センチマゴチで開幕

思わぬ特大ホームランで今季の夕涼み船は開幕した。左舷ミヨシ(最前方)で、武蔵昌一さんのサオがグーンと引っ張り込まれた。カサゴやメバルにしては引きが違う。タモ入れされたのは、50センチ近いマゴチだった。「びっくりしました。あんなに大きな魚が掛かっていたとは思わなかったです」と笑った。


その後、カサゴがポツポツと釣れ盛った。今季第1号は右舷ミヨシの福田隆さん。野島防波堤での磯釣り専門だったが、瀬渡しが禁止になり船に乗り始めた。胴突き3本針で一番下に付けたサバの切り身を底付近にはわせる。活性が高くなったカサゴが食ってきた。


武蔵さんも底付近を小突いて誘う。モゾモゾとしたアタリが伝わった後、1度バレたような感じに。少し道糸を送り込み、しっかり針がかりさせてサオをしならせた。「サバの切り身はボロボロに食われても新品に替えずに使った方が食います」と数を伸ばすコツを明かしてくれた。

今季の夕涼み船の釣果第1号は50センチのマゴチの特大ホームラン
今季の夕涼み船の釣果第1号は50センチのマゴチの特大ホームラン

★日没後アオイソメ

自らカジを取った関口船主のアドバイスも効いた。「カサゴは底付近にエサがはうようにします。メバルは底から1~2メートルほど上の宙層狙いで。日があるうちはサバの切り身が有効ですが、日没後はアオイソメの方が食います」。その傾向通り、船上で活発にサオが絞り込まれた。


昨シーズンから始まったこの「夜遊び」。1年前はまったくメバルが釣れず、カサゴのみだった。今季は福田さんがブラクリ仕掛けのエサはアオイソメで引き当てた。「底まで落とし込んで1回シャクって落としていたら食いました」。武蔵さんは底から2メートルほど上げて誘い食わせた。

今季第1号のカサゴをゲットした福田隆さん
今季第1号のカサゴをゲットした福田隆さん

「夜型」がいる人間様と同じで、カサゴやメバルは夜行性。カサゴは底付近に潜んでいるが、日中同じような場所でおとなしくしていたメバルは夜になると上ずってくる。まさしくその傾向通りだった。


★滑り出しは上々

2人とも20~28センチ級のカサゴを20匹前後、20センチ前後のメバルを2~3匹確保した。「カサゴの型が意外に大きいですね。狙うポイントが水深5~10メートルと浅く、引きも楽しめるのがいい」と声をそろえた。


野島防波堤周りでの滑り出しは上々だった。関口船主によると、昨年はここだけだったが、今年はほかのポイントも攻めてみたいとしている。


野球やサッカー、競馬に競輪などの公営競技とナイトゲームは数々あれど、海上での「夜遊び」も面白い。

夕涼み船が狙った野島の防波堤周り
夕涼み船が狙った野島の防波堤周り

■カサゴ

日本列島の沿岸に分布する。水深10メートルほどの浅場から50メートル前後の消波ブロック、岩礁地帯の隙間などに潜んでいる。最大30センチ程度。暗い褐色や赤褐色のまだら模様が特徴。江戸時代の武家では、その威厳ある風貌(ふうぼう)とよろいかぶと姿の武士を重ね合わせ、端午の節句の祝い魚として供えられていた。フランス料理のポワレなどの食材にも使われる。オニカサゴはオレンジ色や朱色の体で表面に突起が多く、ヒレに毒がある。こちらは同じ沖釣りでも50~100メートル以上の深場で電動リールで狙う。

夜行性のカサゴとメバル
夜行性のカサゴとメバル

■メバル

ほぼ本州沿岸で生息している。東京湾で釣れるのはクロメバル。春の訪れを告げる「春告魚(はるつげうお)」として親しまれている。体長20センチ前後が主流だが、中には30センチを超えるものもいる。胴突き釣りのほか、ルアーで狙う「メバリング」も人気。こちらは小型のシンキングペンシルか、2グラム前後のジグヘッドに長さ2インチ(約5センチ)ほどのワームで誘う。


◆出船 午後5時。沖上がり午後8時。8000円。エサは別料金でアオイソメ500円、サバの切り身600円。自分で持参してもいい。


◆必需品 トゲのある魚が多いのでフィッシュクリップ、プライヤー、フィッシンググローブを準備。


◆寒さ対策 日が落ちると急に冷えたり、梅雨寒の時があるので、長袖を用意。


◆日焼け 梅雨明け後の夏場は、出船直後でもまだ暑く、日ざしも強い。帽子やサングラス、日焼け止めは必需品。