★ウクライナ戦争は5年目を迎え、大きなターニングポイントを迎えている。モスクワではガソリンスタンドに長蛇の列ができ、首都の住民も既に異変を察知している。ウクライナの6月のモスクワへのドローン攻撃は容赦なく、ロシアのウクライナ侵攻以降最大級の空爆となった。製油所攻撃のドローンは200機余り、ほかにも石油ターミナル、海軍艦艇、兵器工場、クリミアでの黒海水中音響監視網運用艦「ボルガ」の攻撃もその一環だ。22日にはウクライナ国境から約500キロのモスクワ北郊に位置するドゥブナ衛星通信センターを攻撃している。同センターは30日にも2度目の攻撃を受けている。ロシア国民にとっての「ウクライナ特殊作戦」は現実の戦争に変わりつつある。モスクワ当局は毎回ドローン撃墜情報を公表しているが、そのためにどれほどのミサイルなどを使用したか考えれば、効果は絶大だ。
★先月25日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は「ロシアを交渉テーブルに引き出すためにウクライナ安全保障局(SBU)の40日影響力行使作戦を承認した」というように、最後の総攻撃ととらえられるが、軍事、エネルギー施設、通信拠点など計算された地点が攻撃対象となっている。モスクワ以外にもサンクトペテルブルクなどが対象で、クリミア半島では非常事態宣言が発令されたため、燃料販売が停止された。それはまさにロシアがウクライナに仕掛けてきたエネルギーインフラ(発電所、変電所、暖房施設など)を組織的に破壊することが、効果的な攻撃とされたが、兵士を打ち負かすことよりも、国民の日常生活を不自由にしていく方が士気がくじかれるという目的は、今、ウクライナがロシアに強いている。
★6月28日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は国営テレビのインタビューで、ウクライナから双方の領土の奥深くへの攻撃停止と戦闘をウクライナ南東部の4州に限定するとの提案があったが、大筋で拒否したとした。ただ「一時的なエネルギーの不足」と今が「困難な時期」とは認めており、先のエビアンサミットでも多くの首脳が「ウクライナ戦争は変化している」に同意している。どう収めるかの時期が近いか。(K)※敬称略


