★先月28日に辞職を表明した横浜市長・山中竹春。会見で「けじめをつける。反省を忘れることなく、これからの行動で示していかなければならない」などと述べ頭を下げた。しかし第三者委員会のパワハラ認定、自民・公明、立憲の市議団3会派の辞職申し入れなど、早いうちから外堀は埋められていた。しかし山中は辞任に難色を示し、辞任会見でも出直し選出馬を否定しない。市長を支えてきた山中後援会は辞任表明直後の31日、役員会を開き後援会存続を決めた。だが多くの役員は退会し医師会と港関連の役員が残ったという。
★出直し市長選(10月4日告示、18日投開票)が決まり後継候補が取りざたされ始めた。自民党は地元出身の弁護士・原沢敦美を擁立予定との報道が躍る。出馬を模索する山中との対決になるのだろうか。それとも様々な候補者が虎視眈々(こしたんたん)と出馬に向けて準備を進めているのか。思い出すのは21年、山中初出馬の選挙の争点は横浜にカジノ誘致は必要か否かだった。誘致派は当時の首相・菅義偉。反対派は横浜港ハーバーリゾート協会会長・藤木幸夫。横浜の政財界が真っ2つに割れた。仲介がうまくいかず地元選出の国家公安委員長・小此木八郎は議員辞職してカジノ反対で出馬。大混乱の末、横浜市大医学部教授だった山中が反対派の中心となり当選。カジノ誘致は消えた。
★山中に白羽の矢を立てたのはなぜか。医学部の学者とカジノ反対は全く結びつかない。市長になり山中はパワハラ体質と言われてきた。しかしそれは人を馬鹿にしたり、蔑(さげす)んだり差別的に扱うことで、決してあってはならない人権問題に他ならない。一方、山中を当時擁立した市政財界、もしかしたら市行政も扱いやすくコントロールしやすい、いわば「神輿(みこし)は軽い方がいい」と思ったのではないか。約377万人の人口を抱える横浜市は市区町村では最も多く、人口集中地区人口も東京23区に次ぐ規模だ。選挙だからと言って行政経験のない自動車のディーラーや学者、弁護士を勝たせる神輿を担いでいていいのか。「時間がないからしょうがない」などの言い訳は聞きたくない。(K)※敬称略


